全仏オープンテニスで10度目の優勝を目指すラファエル・ナダルのプロフィル(2017年5月25日作成)。(c)AFP=時事/AFPBB News

写真拡大

【AFP=時事】史上初めて世界ランキング上位5人を30歳以上の選手が占める中、ラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)は全仏オープンテニス(French Open 2017)で通算10度目の優勝という前人未到の偉業に挑む。

 2015年大会は準々決勝でノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)に苦杯をなめ、昨年は故障の影響で3回戦前に棄権を余儀なくされたナダルだが、2005年から2008年の4連覇、2010年から2014年の5連覇に次ぐ新たなタイトル獲得へ向け、今年は再び優勝候補筆頭に挙げられている。

 現在30歳のナダルは今年、クレーコートで行われたモンテカルロ・マスターズ(Monte-Carlo Rolex Masters 2017)とバルセロナ・オープン(Barcelona Open Banc Sabadell 2017)で自身10度目の優勝という快挙を達成。5度目の優勝を飾ったマドリード・オープン(Mutua Madrid Open 2017)では、2年以上続いた対ジョコビッチ戦の連敗記録を7でストップした。

 ローラン・ギャロス(Roland Garros、全仏オープン)では通算72勝という驚異的な成績を残しており、敗れたのは2009年大会でロビン・ソデルリング(Robin Soderling、スウェーデン)、2015年大会でジョコビッチに喫した2敗だけとなっている。

 2009年大会で唯一の全仏タイトルを獲得した35歳のロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)は、通算8度目の優勝を狙うウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2017)へ向けて今大会の欠場を表明しているだけでなく、前回王者として挑むジョコビッチと世界1位のアンディ・マレー(Andy Murray、英国)がともに不振に陥っていることも、今年の全仏ではナダルが本命だという考えを強めている。

 イタリア国際(Internazionali BNL d'Italia 2017)こそ、虎視眈々(たんたん)と頂点を目指す若手のドミニク・ティエム(Dominic Thiem、オーストリア)に準々決勝で敗れたナダルだが、「パリ(Paris)入りする前の過去最高成績と同等」として、その自信に揺らぎはみえない。

 2017年のナダルはハードコートでも好調ぶりを示しており、3年ぶりの四大大会(グランドスラム)決勝となった全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2017)でフェデラーに惜敗したものの、最終第5セットでは先にブレークを奪っていた。

 続くマイアミ・オープン(Miami Open 2017)決勝でもフェデラーへのリベンジはかなわなかったが、マドリード(Madrid)でタイトルを獲得したことにより、マスターズ1000(ATP World Tour Masters 1000)の最多優勝回数に並んでいる。

■苦戦が続くジョコビッチとマレー

 クレーでマレーに8勝2敗(全仏では2勝0敗)、ジョコビッチに13勝7敗(全仏では5勝1敗)とトップ2から圧倒的な成績を残していることも、ナダルが大会の本命だとする見方を裏付けている。

 ナダルのコーチを務める叔父のトニ(Toni Nadal)氏にとっては今年が最後のローラン・ギャロスとなる一方、長年のコーチングチームを解散してキャリアを再び軌道に乗せようとしているジョコビッチは、米国出身の伝説的選手アンドレ・アガシ(Andre Agassi)氏を新たに招き入れた。

 昨年の全仏オープンでキャリアグランドスラムを達成したジョコビッチだが、くしくもアガシ氏が現役時代にキャリアグランドスラムを成し遂げた場所もローラン・ギャロスだった。

 ジョコビッチは今クレーシーズン、イタリア国際では決勝でアレクサンダー・ズベレフ(Alexander Zverev、ドイツ)に敗れたが、モンテカルロ(Monte Carlo)でベスト8、マドリードでもベスト4と、少なくとも上昇軌道を描いていることに間違いはない。

 現時点では全仏オープン限定の契約になっている47歳のアガシ氏との関係について、ジョコビッチは「アンドレのことは選手としてだけでなく、人間としても非常に尊敬している。彼は私がこれから直面しようとしているすべてのことを経験している」と話した。

 一方、前回大会決勝でジョコビッチの前に涙をのんだマレーは、肘の故障に苦しむなど、自身の水準からは程遠いシーズンを経験している。4強入りを果たしたバルセロナ・オープンを除き、イタリア国際では1回戦でファビオ・フォニーニ(Fabio Fognini、イタリア)に屈するなど、今季のクレー大会では3回戦突破がない。

 2016年は自身最高のクレーシーズンを送りながらも、最近5大会では決勝進出が一度もないマレーの口からは「とにかく良いテニスができていない」との言葉もこぼれている。

 世界ランキング3位で2015年大会王者のスタン・ワウリンカ(Stan Wawrinka、スイス)も、今季はクレーでわずかに2勝と苦戦を強いられており、仮にナダルやジョコビッチ、マレーがつまずくようなことがあれば、次世代を担うズベレフやティエムにチャンスが訪れるかもしれない。

 20歳のズベレフは、イタリア国際で1990年代生まれの選手として初のマスターズ優勝者に輝いており、23歳で世界7位のティエムは、マドリード・オープンとバルセロナ・オープン決勝でいずれもナダルの前に散るも、ローマ(Roma)では見事に雪辱を果たした。最終的には準決勝でジョコビッチに完敗することとなったが、昨年の全仏オープンでも準決勝まで進出している。
【翻訳編集】AFPBB News