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伊藤嘉明の「人生万事振り切るが価値」



“最強のよそ者”として、数々の業界でビジネスに変革をもたらし続けてきた伊藤嘉明が、“趣味も仕事もフルスイングする価値”について考える連載コラム『伊藤嘉明の「人生万事振り切るが価値」』。

CeBITのメインテーマは社会全体の総デジタル化



毎年3月に開催される世界最大級の展示会である国際情報通信技術見本市CeBIT。ここ数年のトレンドとしてはIoTになり、ドイツは社会全体のデジタル化を推進する「インダストリー4.0」を、日本もそれに習って「ソサエティ5.0」を提唱、各国が国を挙げてIT化を進める動きを加速している。社会全体の総デジタル化は、CeBITのメインテーマでもあり、クラウドやビッグデータ、IoT、AI、MR、VR、AR、ロボティクスも欠かせない要素技術になっている。日本・ドイツの両国間においては、経済産業省がドイツ経済エネルギー省との間でIoT/インダストリー4.0への協力に係る共同声明を発表し、日独首脳会談で、両国の緊密な協力による「第四次産業革命」の実現や中小企業連携などが確認された。



まぁ、硬めのレポートはここまでで、紹介されていたソリューションをレポートすることもできるのだが、デジモノらしく、そして私のコラムらしく、変わったモノ、自分が面白いと思ったモノ、に絞って紹介する。なぜなら人生、万事振り切るが価値!

変わり種の数々。日本上陸が待ち遠しい!



初日、ホテルの前で早朝の空気を楽しんでいたところ、郵便配達員と思しき人が黄色い自転車で颯爽と。目の前で止まると同時に降り立ち、荷物を持って配達へ。なんて無駄のないスムーズな動きなんだろうと感激したときに、気づきました。自転車が倒れないようにスタンドをガッチャンコと足でやるあの動作がないんですね。倒れないように最初からステーが横に伸びている。これは素晴らしい。重い荷物を運んでいようが、急カーブを曲がろうが、濡れたマンホールの上でタイヤを取られようが、転ぶことはないこの仕組み。素晴らしい!これから高齢化が深刻化する日本にも導入すべきです! ロボットが配達をするまではまだ時間があるでしょうからね。で、当然のことながらこれ、電動自転車でした。頑張れニッポン!



会場には電動自転車と同じ仕組みで作った4輪電動自転車もあり、これも欲しくなりました。自転車だと転ぶ心配があるけれど、4輪ならば転ぶこともないし、安定した走りも楽しめ、疲れたら電動アシストで楽チンに漕ぐこともできる。これも高齢者社会ニッポンに向いているのではないかなと思う。



車好きとしては展示していたソリューションの横にそっと止めてあったトラクターヘッドに目がいきまして。いわゆるトラックの先頭の部分。さすがヨーロッパデザインだからなのか、めちゃくちゃカッコいい。マジンガーZのホバーパイルダーかと思いました。流線型のフロントデザインもさることながら一番振り切っていたのがワイパー。自動車のフロントスクリーンのワイパーの拭き残し、子供の頃からずっと納得行っていなかったので、これを見たときは5分くらいじっと眺めてしまいました。素晴らしい! 拭き残しは皆無! 懸念点としては、目が回らないのかな、というところくらいか……。



当然ドローンもたくさん出ていて面白いモノもたくさんあるのだが、あえて変わり種を。私がひかれたのは手が付いているタイプ。ちなみにこれ、やたらと大きい……。犬とか小さな子供ならそのまま掴んで飛べるんじゃないかと思ってしまうくらいデカい。眺めていたらターミネーターのシーンが頭に浮かんで少し怖くなりました。



さらに、水上・水中ドローン。カラーリングもオレンジで統一しているから“働くクルマ”ならぬ“働くドローン”という感じで、ガジェット好き男性の心を捉えて離さない統一感、いいですねぇ。必要ないけど欲しくなりました。



また、ここでも存在感を出していたのは彼の国、中国の方々。アップルそっくりなWindowsマシーンとか色々出しているんだが、変わり種はとあるドローンメーカー。おお、ドイツのドローン! と思って話を聞いてみると、実は中国のドローンメーカーがブランディングの一環として、他の中国ドローンメーカーと差別化を図るためにドイツにも本社を置き、中国で研究開発センターをもつ、という戦略……なかなか上手いことをやります。



それからやはりロボティクス。見た目はなかなかカッコいいロボットたち。いろんなデザイン要素が混ざっていて、それなりに洗練されていたのだが、ダンスミュージックに合わせて緩慢な動きで頭と腕を動かす、という展示の仕方が若干残念。それから、ACアダプターで充電しているところがものすごい家電感を醸し出していました。ロボットが値段安くなって家電と同じ感覚で手に入るならばそれもアリだなぁと思いながら、来年もまた来ようと思った展示会でした。



文/伊藤嘉明

※『デジモノステーション』2017年7月号より抜粋

いとうよしあき/X-TANKコンサルティング 代表取締役社長。数々の外資系企業での事業再生、マネージメント経験を生かし、可能性のある組織や人材を有機的に結合させたり、資金を投入することで、日本国内はもちろん、生まれ故郷である東南アジアでイノベーションと変革を巻き起こす。著作に『どんな業界でも記録的な成果を出す人の仕事力』(東洋経済新報社)など。

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