無人探査機ジュノーが捉えた木星表面の変化(2017年5月25日提供)。(c)AFP=時事/AFPBB News

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【AFP=時事】木星を周回している米航空宇宙局(NASA)の無人探査機「ジュノー(Juno)」が、ガス状巨大惑星の極域で巨大な嵐を観測したとの研究報告が25日、発表された。ジュノーの観測により、太陽系最大の惑星に関する新たな、驚くべき詳細が次々と明らかになっている。

 NASAの声明によると、木星は「複雑で巨大な乱流の世界」で、科学者らがこれまで考えていた姿とは懸け離れているという。

 米科学誌サイエンス(Science)に掲載された論文2件と米地球物理学連合(American Geophysical Union)の学会誌「地球物理学研究レター(Geophysical Research Letters)」の論文44件には、2016年にジュノーが木星軌道を周回し始めて以降の発見の数々が記載されている。

 米サウスウェスト研究所(Southwest Research Institute)のジュノー主任研究員、スコット・ボルトン(Scott Bolton)氏は、当初から何かしらのかたちで意表を突かれることは分かっていたが、「予想外のことがこれほど多く起きているからには、われわれは一歩退いて、これを全く新しい木星として捉えなおす必要性が出てきた」と話す。

 観測では、極域が密集した多数の嵐で覆われていることが示されており、これらの嵐が雪やひょうを降らせている可能性があるという。

 米科学誌サイエンス(Science)に掲載された論文では、「これまで観測されたことのない木星の極域の画像には、明るい楕円(だえん)形をした特徴物の混沌(こんとん)とした光景がみられる」と記された。

 これらの楕円は、渦を巻く巨大な嵐であることが判明。中には直径が1400キロに及ぶものもある。研究チームは今回、「濃密な大気からわき上がり、巨大な気象系を形成しているアンモニアの存在を示す証拠」を発見した。

 木星の嵐の性質と、この現象の発生原因についての理解を深めるには、今後さらに研究を重ねる必要がある。

■地球磁場の10倍

 楕円軌道を描いて木星を周回しているジュノーは、木星の雲頂から5000キロ内へと接近し、極域の上空を通過する。観測では、一部の予想モデルで示されているように木星が固体の核を持つのか、それとも核を持たないのかを確認するために重力場の測定も行っている。

 観測データを分析した結果、木星の核は「不明瞭」で、小さな圧縮された核があるのでも、核が存在しないのでもないことが明らかになった。ボルトン氏によると、核は部分的に溶解されている可能性があり、誰もが予測していたよりはるかに大きいことは確実だという。

 ジュノーの打ち上げ以前から、木星には太陽系で最も強い磁場があることが研究者らの間ですでに知られていた。論文によると、木星の磁場は「モデルの予測よりも大幅に強い7.766ガウスで、地球磁場の約10倍」であることが、今回の観測で分かったという。

 ジュノーの研究副責任者で、NASAで同ミッションの磁場研究を率いるジャック・コナニー(Jack Connerney)氏によると、木星の磁場はむらが多いように見えるとされ、「場所によって磁場が強いところと弱いところがある」としている。

 同氏はまた、「接近観測を実行するたびに、木星のダイナモ作用についての理解が深まっている」ことを明らかにした。
【翻訳編集】AFPBB News