LINEやFacebook、Twitter、インスタグラムなど……今や生活に欠かせないツールとなっている「SNS」。その一方でのめり込みすぎるとSNSの投稿や反応が常に気になり、生活が振り回されるような状態を表す「SNS疲れ」という言葉も出現しています。

SNS疲れを感じつつも、半数以上は「以前よりは疲れが減った」と認識

実は最近、「株式会社ジャストシステム」がスマートフォンを使用する全国の10代〜50代の男女1,005名を対象に、『SNS利用による疲れやストレス』の調査を行なっています。対象者に「SNS疲れを感じたことがあるか?」尋ねたところ、一番多いのは「あまりなかった」(34.6%)という回答。しかし次に続く「ときどきあった」(32.8%)と「頻繁にあった」(25.4%)の回答を合計すると58.2%となり、やはり過半数以上の人がSNSに疲れを感じていることが分かります。

しかしその一方で、前述の質問でSNS疲れを感じたと回答した人に「利用し始めの頃と比較したSNS疲れの頻度」も調査しています。すると、全体の45.5%がSNS疲れについて「やや減ったと思う」と回答。さらに「かなり減ったと思う」という人も14.1%おり、合計すると59.6%の人が疲れを感じるものの、以前に比べると減少傾向にあると認識しているのです。

ただSNS疲れが「かなり増えた」という人も5.1%いました。一体何があったのでしょう……?

SNS疲れが減った要因は「SNSに慣れて力の抜きどころが分かった」から

なぜ以前と比べて「SNS疲れ」は減少傾向にあるのでしょうか?同調査では「SNS疲れが減った理由」も調べており、以下のような結果となっています。

1位 SNSに慣れて、自分なりの使い分けができるようになってきたから……43.8%

2位 SNSに慣れて、ひとつひとつのSNSに対し自分なりの使い方ができるようになってきたから……38.4%

3位 SNS上の「いいね」などのリアクションに対して過度な期待を持たないようになってきたから……29.0%

4位 今までになかった、新しいSNSが出てきたから……12.9%

5位 昔からあるSNS自体も機能などが進化し、より使いやすくなったから……12.5%

6位 SNS上で「いいね」などのリアクションをもらうコツがつかめてきたから……11.6%

上位2つの回答を総括すると、要するに「SNSに慣れた」ことで、力の抜きどころが分かったことが大きいようです。また「いいね」に期待しなくなったことで疲れを感じなくなる人もいれば、「いいね」をもらうコツをつかむことでストレスを減らす人がいるのも興味深いところ。「いいね」機能は楽しい反面、気にしすぎるとやはりストレスの元になるようです。

“疲れる2大SNS”はLINEとFacebook

さらに「SNS疲れ」を感じる点で、同調査では「1年前とくらべて利用頻度が減ったSNS」も調べています。その結果はこちら。

1位 LINE……40.2%

2位 Facebook……39.6%

3位 Twitter……31.6%

4位 インスタグラム……19.7%。

5位 あてはまるものはない……17.3%

一番多いのは「LINE」(40.2%)ですが、2位の「Facebook」との差はわずか0.6%!ほぼ同数といっていいでしょう。つまりLINEとFacebookは他のSNSと比較しても「SNS疲れ」を感じる人が多いということになります。

スマホの出現によりどこでもアクセスできるようになったのも、SNS疲れが加速した原因でしょうか。

同調査ではさらに各SNSでそれぞれ「利用で感じるストレス」も調べており、LINEとFacebookで感じるストレスは以下の通りとなっています。

LINEの利用方法で当てはまるもの(「あてはまる」「ややあてはまる」を合計した上位5つ)

1位 既読が相手にわかるので返事をしなければ悪いと思ってしまう……66.6%

2位 LINEのトーク利用でやめるタイミングがなく、予想以上に長引いてしまい疲れることがある……50.4%

3位 既読がついていなくても相手から返事がないと不安に感じてしまう……49.9%

4位 LINEのトーク利用で疲れを感じることがある……41.7%

5位 相手がスタンプを使うと、こちらもスタンプを返さないといけないと思ってしまう……40.8%

Facebookで感じるストレス(上位5つ)

1位 人間関係があからさまでプライバシーがないこと……39.8%

2位 シェアされるとどこまで広がるのか分からないので、余計なことを発言できない……37.5%

3位 友達リクエストされても断りにくいこと……36.6%

4位 学校関係や仕事関係などつきあいの異なる人との接し方に困惑する……34.3%

5位 投稿内容に対して、いかにも「いいね!」してほしいという印象を受けることがある……33.3%

LINEの魅力といえば、1対1でダイレクトにテンポよくリアクションのやりとりができること。ですがその反面、テンポが乱れると不安になったり、ストレスを感じる人がとても多いことが分かります。

一方FacebookはLINEとは違い、1対1ではなく大勢のコミュニティーが故に感じるストレスが多いようです。とはいえそもそも「人間関係の可視化」や「シェア」はある意味Facebookの特徴であり醍醐味。それが苦痛に思うなら距離を置けばいい……とできれば簡単ですが、それができないほどFacebookが日常に入り込んでいるともいえるかもしれません。

SNSはのめり込まない程度に力を抜き、楽しく利用したいものですね。