右ウイングの序列では久保が本田よりも上と見ていい。久々の招集となった乾は、足首の状態が心配だ。写真:田中研治

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 5月25日、日本協会はキリンチャレンジカップ2017のシリア戦と、ロシア・ワールドカップ・アジア最終予選のイラク戦に臨む日本代表のメンバー25名(GK3名、フィールドプレーヤー22名)を発表した。ここでは、基本システムの4-3-3に沿って、MF&FWの序列を考察する。
 
【MF】
ボランチ:◎山口 蛍(C大阪)/〇今野泰幸(G大阪)/〇遠藤 航(浦和)/〇井手口陽介(G大阪)/△加藤恒平(ベロエ)
トップ下:◎香川真司(ドルトムント)/○倉田 秋(G大阪)
 
 右膝の負傷でリハビリ中の長谷部誠(フランクフルト)が不在のなか、ボランチの軸は山口で異論はないはずだ。ヴァイッド・ハリルホジッチ監督の信頼も厚く、自慢のボール奪取能力で中盤の守備レベルを引き上げてくれるだろう。
 
 コンビを組むのは今野が最有力だが、現在は左足の怪我明けでコンディションに不安を抱えている。ハリルホジッチ監督も「2か月プレーしていないのが少し影響するかもしれない」と語るが、ギリギリまで状態を観察するスタンスで、なんとかイラク戦に間に合うように願っているようだ。
 
 もし今野が間に合わなければ、遠藤あるいは井手口のリオ五輪世代がスタメンに選ばれるだろう。もっとも、ふたりともコンスタントに選出されてきたわけではなく、現時点では横一線の状態と言える。ただ、イラク戦は「ドリブルで仕掛けてくる相手からボールをしっかり奪う」(ハリルホジッチ監督)働きも重要視されており、その意味では、より守備力に長ける遠藤が有利か。
 
 サプライズ選出となった加藤についても、指揮官はボールを奪う力を高く評価しているが、「すぐにプレーさせるわけではない」ともコメント。今回は“様子見”の側面が強く、三番手が妥当だろう。
 
 トップ下は、清武弘嗣(C大阪)の落選を受け、香川の一択。ドルトムントでも最近は好調をキープしており、良い状態でチームに合流しそうだ。バックアッパーには、3月シリーズではボランチとして招集されていた倉田がスタンバイ。今回は「リズムや(ボールが進む)方向に変化を加えてもらえれば」と、より高い位置で攻撃のアクセントになるプレーが期待されている。
 
※凡例:◎=スタメン候補 ○=準レギュラー △=バックアッパー
 
【FW】
CF:◎大迫勇也(ケルン)/○岡崎慎司(レスター)/△浅野拓磨(シュツットガルト)
右ウイング:◎久保裕也(ヘント)/〇本田圭佑(ミラン)
左ウイング:◎原口元気(ヘルタ・ベルリン)/〇乾 貴士(エイバル)
 
 3トップはすべて欧州組で編成。CFは、もはや前線の軸と言っても過言ではない大迫がレギュラー筆頭だ。怪我もあり、体調を崩した時期もあったが、すでに復帰済みで、ハリルホジッチ監督に「大迫がいるのは大事」と言わしめるほどである。
 
 岡崎は常に計算できる選手だが、現在の大迫の存在感を上回るだけのパフォーマンスをクラブレベルで見せられていない。浅野もシュツットガルトでリーグ終盤は出番を失っており、試合勘が懸念される。もっとも、「イラク戦で最後の15分に、相手の背後を取る選手が必要になるかもしれない」と、指揮官は浅野のスピードを重要なオプションとして考えている。
 
 右ウイングは、3月シリーズの2試合ともに先発し、計2得点・3アシストを叩き出した久保をスタメンから外す理由は見当たらない。ヘントではシーズン通算19得点を挙げ、欧州1部での日本人最多得点記録を更新するなど、絶好調だ。序列を覆された感のある本田について、ハリルホジッチ監督は、先日のボローニャ戦で決めた直接FKを称えつつ、「A代表で席を取るためには戦わなければいけない」とも語っている。
 
 左ウイングは、クラブでハイパフォーマンスを見せる乾が久々の復帰を果たし、原口との一騎打ちに挑む。ただし、足首の状態が芳しくなく、回復が遅れれば離脱するかもしれないだけに、今回も原口がスターティングメンバーに名を連ねるだろう。
 
※凡例:◎=スタメン候補 ○=準レギュラー △=バックアッパー
 
文:広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)