ボルボのサミュエルソンCEO、「次世代ディーゼル・エンジンの開発は続けない」と発言
スウェーデンの自動車メーカー、ボルボ・カーのハカン・サミュエルソンCEOは17日水曜日、ディーゼル・エンジンの開発は窒素酸化物削減のコストが高くなり過ぎるため、同社では現在の最新世代エンジンが最後になる可能性があると述べた。
「今日的な観点から、私たちは次世代型ディーゼル・エンジンの開発をこれ以上続けないつもりです」と、サミュエルソンCEOはドイツの新聞『フランクフルター・アルゲマイネ』紙(FAZ)のインタビューに語った。

しかし、ボルボ・カーの広報担当者は水曜日、サミュエルソンCEOはディーゼル・エンジンのさらなる開発を停止するという確定したプランよりもむしろ、その他の選択肢について論じていたと述べている。

サミュエルソンCEOはその後、ロイターに送った声明文で、ディーゼルはガソリン・エンジンよりも燃費が良いため、同社が二酸化炭素排出量の削減という目標を達成するために、今後2〜3年は重要な役割を果たすだろうと述べている。

「私たちは、内燃エンジンの技術に対する取り組みを強調した、全く新しい世代のガソリン及びディーゼル・エンジンを投入したばかりでした。結果的に、これからさらに新しい世代のディーゼル・エンジンを開発するという決断を下す必要はありません」と語った。

サミュエルソンCEOはFAZによるインタビューで、ボルボは将来的な排出ガス基準を満たすため、2013年に発表された現行モデルの改良を続けていくだろうと語っている。その生産は2023年頃まで続く見込みだという。

そして2020年まで、ディーゼル・エンジンは欧州連合(EU)によって定められた二酸化炭素排出量の上限を満たすために必要とされるだろうが、新たな規制が発動された後は、現在よりも厳しくなる環境基準に適合させるためのコストを考えると、ディーゼルにはもはやその価値がなくなるだろうと語った。

代わりにボルボは、電気自動車やハイブリッド・カーに投資し、2019年には同社初の完全電気自動車を市場に投入する計画だ。

サミュエルソンCEOは「人々が行列を作って欲しがるようなクルマをテスラが提供してきたことを、我々は認めなければなりません。そしてその分野には、高品質で魅力的なデザインのクルマであれば、我々にも参入する余地が残されているはずです」と語っている。

過去にもサミュエルソンCEOは、より厳しくなる排出ガス規制に対応すれば、ディーゼル・エンジンを搭載したクルマの価格は、プラグイン・ハイブリッドが魅力的な代替手段と思える価格帯まで高騰するだろう、と語っている。

欧州の自動車メーカーに課せられた平均二酸化炭素排出量の上限は、現在の1kmあたり130gから、2012年には95gまで抑えることが義務付けられており、各社は環境技術へのさらなる出資を余儀なくされている。

ディーゼル車は欧州で新規登録されるクルマの50%以上を占めており、この地域は世界最大のディーゼル車市場となっている。中国の浙江吉利控股集団傘下であるボルボが、これまで欧州で販売したSUV「XC90」の90%はディーゼル・エンジン搭載車だ。

フォルクスワーゲンによる排出ガス不正が、呼吸器疾患を引き起こすまたは悪化される恐れがあると叫ばれている現在、各自動車メーカーはさらに厳正な排出ガス試験への対応を迫られている。

ゴールドマン・サックスの試算によれば、ガソリン・エンジンと同等の性能を持つディーゼル・エンジンは既に一基あたり1,300ユーロ(約16.3万円)ほどコストが高いが、より規制が厳しくなればさらに300ユーロ(3.8万円)ほど高くなるという。また、ディーゼル・エンジンを生産している各自動車メーカーは、現実の路上で排出される窒素酸化物の量を、排ガス試験で記録された数値と同等に引き下げることも求められている。

By Reuters
翻訳:日本映像翻訳アカデミー