民進党の大西健介議員(写真:Motoo Naka/アフロ)

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「イエス! 高須クリニック」というキャッチフレーズで長年にわたって広告展開をしている美容外科「高須クリニック」の高須克弥院長が、5月19日、民進党の大西健介衆議院議員と蓮舫代表に名誉を傷つけられたとして、両氏と民進党を相手に総額1000万円の損害賠償を求める民事訴訟を起こしました。提訴は大西議員の発言に対してですが、蓮舫代表はいわば「使用者責任」ということです。

 高須院長は、ツイッターのフォロワーが18万を超え、事実婚のパートナーで漫画家の西原理恵子さんの作品にもよく登場されているため、ご存じの方も多いと思います。

 美容外科のような医療機関は医師が常駐していないエステティックサロンとは違って広告の規制が厳しく、「アンチエイジング」や「永久脱毛」などとうたうことができないため、高須院長の前夫人(故人)が考案されたというフレーズ「イエス!」は、美容外科業界では以前から評価が高かったそうです。

●大西議員の高須クリニック中傷は的外れ?

 16日に東京・赤坂のANAインターコンチネンタルホテル東京で日本美容外科学会のパーティが行われ、高須院長も西原さんと参加しています。

 この席で、来賓の与党議員たちが、経済産業省内で検討されている広告規制についても触れていました。エステ業界の規制も検討されているそうで、「広告の規制が厳しい美容外科は苦労していると思うが、エステ業界とお互いに切磋琢磨してがんばってほしい」というエールが送られています。

 しかし、その翌日に大西議員の発言が飛び出しました。大西議員は、衆院厚生労働委員会で美容外科の広告規制について、「みなさん、よくご存じのように『イエス、○○』とクリニックの名を連呼するだけのCMなど、非常に陳腐なものが多い」と発言したのです。大西議員はパーティには出席していませんでしたが、広告を規制している側の国会議員から「陳腐」と言われたら、怒るのは当然でしょう。

 高須院長は訴状で「『イエス』といえば『高須クリニック』であり、広告の規制にのっとってクリニック名と連絡先だけを広告しているのに、『陳腐』だと中傷された」としています。

 憲法第51条は、国会議員の委員会での発言に関しては、「両議院の議員は、議院で行った演説、討論又は表決について、院外で責任を問われない」としていますが、だからといって許される発言ではありません。

●大西議員は永田町では嫌われ者だった?

 ちなみに、この大西議員は馬淵澄夫元国土交通大臣の秘書出身なので、神澤の秘書仲間でもありました。当時は民主党秘書会の役員も務めていて、精力的に秘書研修の企画などを担当していましたが、「協調性が皆無で、向上心だけはやたら高い」と煙たがられていました。

 また、秘書会が実施する海外研修は、会からの費用補助がある関係で、秘書歴の長い秘書から順番に行くのが暗黙の了解だったのですが、なぜか毎回強引に参加し、研修の時期なども自分の事務所の都合に合わせるようにと、大声を出したりしていました。

 そのため、総選挙の候補者になったと聞いたときは「あんな人が国会議員なんて、できるのかな?」と思いましたが、もう3期目ですから、きちんと仕事をしているようです。

 正直、秘書仲間だった頃はあまり興味を持てませんでしたが、今回の騒動を受けてあらためて大西議員の経歴を調べてみると、京都大学卒業、参議院事務局に就職して議員立法や議会運営を補佐、国会議員政策担当秘書資格試験第1回目の合格者……とかなり華やかなので驚きました。だから、怖いものなしなのかもしれません。

 さて、永田町の住人たちが高須院長に期待していることは、蓮舫代表の二重国籍問題が現状どうなっているかの解明です。訴訟内容にもよりますが、原告である高須院長は、損害賠償を払ってもらうために訴えた相手である蓮舫代表の戸籍を入手できる場合があるのです。

 また、大西議員の素行や野次に辟易している国会議員も多く、「ウザい議員」のアンケートを取ればトップ3に入るでしょう。そのため、「これで少しはおとなしくなるだろう」という期待もあります。いずれにせよ、永田町には「あっぱれ! 高須クリニック」と、訴訟を応援している議員や秘書であふれています。
(文=神澤志万/国会議員秘書)