ハリルホジッチ監督(撮影:日本蹴球合同会社)

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25日、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督は6月のフレンドリーマッチ・シリア戦(7日)、ワールドカップ予選・イラク戦(13日)のメンバーを発表した。宇賀神友弥、三浦弦太、加藤恒平が初めて顔を連ねる一方、森重真人や負傷の長谷部誠らが外れている。

今回の記者会見では、監督の口から不安要素と期待の選手が明らかになった。最大の不安要素は今野泰幸。3月のUAE戦では抜群の守備力を見せただけでなく、ゴールを奪う活躍を見せながら負傷。その後、懸命のリハビリを続けている。

この今野に対して、ハリルホジッチ監督は「まだ確信が持てません」と何度も苦悩の表情を浮かべながら言及した。

「クラブの方と、それからメディカルの方と、テクニカルスタッフと密に関係を持って、ケガを治療しながらトレーニングを進めてもらってます。そして本当に注意して見てます」

「イラク戦には間に合ってほしいな。なぜかと言うと、彼のような選手が本当に必要ですから。中盤での存在感ですよね。守備面、攻撃面、それからヘディングも強い選手ですから」

「(G大阪とは)午前と午後と連絡を取り合っています」

今野への心配を度々口にするその一方で、手放しの称賛を得たのは遠藤航だった。

「遠藤は、後ろの真ん中気味でプレーしてますよね。現在もしかしたらデュエルで最も勝ってるDFかもしれないですね」

「イラクのようなFWのパワーが強い選手にはいいかもしれませんね。浦和でも個人的にかなりよいパフォーマンスを見せているのが遠藤だと思います」

ではなぜハリルホジッチ監督はこのような反応を見せているか。それは、イラク戦のゲームプランからだった。3月のアウェイ・UAE戦で「相手に長所を出させない」「組み立てとか正確性を出させない」という戦術をとった例を挙げながら、イラクは「よりアグレッシブ」だと分析していた。

また、イラク戦が開催されるテヘランのスタジアムは芝の状態がとても悪いとされている。そのため、パスでの組み立てができず、ロングボールと空中戦が多用されるのではないかと推理していた。その「空中戦に勝つ」「セカンドボールを奪う」というのが重要だと考えていたのだ。

そして相手の短所を突き相手の長所を消しに行く、「その準備のための選手」「戦いが大好きで、ボールを奪うのが大好きという選手が必要となる」というのが1カ月半考えた結論だと言う。それが今野であり、遠藤であり、そしてレギュラーとして活躍する山口蛍ということになるのだろう。初招集となった加藤についても「彼はボールを奪う人という役割」「奪うところでアグレッシブさを持って戦える」という面を評価しての選出なのだ。

今回はこれまで以上に中盤での「戦い」が鍵を握る――。それが正念場の続く監督が出した結論だった。

【日本蹴球合同会社/森雅史】