土壇場を迎えた東芝は今後どうなるのか。(c) 123rf

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 東芝が土壇場を迎えている。

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 一つ目は2016年度の決算が出来ないこと。上場会社には決算について厳格な決め事があるが、その大きなポイントが独立監査人により決算内容のチェックを受けて、会計監査人としての監査意見(「無限定適正」や「限定付き適正」)を得ることにある。

 東芝は会計監査人である「PwCあらた監査法人」から監査意見を得られていない。つまり、2016年度の決算が「適正でない」か「判断するための必要な手続きが終わっていない」ことを意味する。会計監査人が東芝の会計処理は不適切だと見ているということである。通常こうしたケースは上場廃止になる。東芝の場合、廃止を判断するのは東京証券取引所である。

 二つ目は東芝メモリの売却が困難であること。上記決算問題と不可分なのが債務超過を解消するために分離した東芝メモリの売却である。5月19日の二次入札を経て売却先が決定するはずだったが結論は出ていない。

 それどころかメモリ事業の協業先であるウエスタン・デジタル(WD)からの異議が出て、24日のトップ会談でも折り合えていない。継続協議と公表されているが結末は全く見えない。入札グループの中には疑心暗鬼も生まれている。売却が出来なかったり、長期間を要するようだと債務超過を解消することが出来ず上場廃止の二つ目の事由が成立してしまう。

 こうして記述していると東芝はすぐにも上場廃止となり破綻すると連想する人が多いかもしれないが、東芝問題にはほかに変数がある。2000年に東芝の会長に就任した西室泰三氏が、2005年に東京証券取引所の会長を経て2013年に日本郵政の社長をしていることだ。証券取引所と上場企業の両方でトップを極めた大先輩がいて、後年証券取引所がその上場企業に上場廃止を宣告しなければならないという冗談のような話である。

 加えて西室氏の日本郵政の社長就任には政府の意向がある。原子力発電事業に関しても日本の国策と深く結びついていることは明白であり、政治判断を抜きには考えられない大問題である。等々を考えると「想定外」の結末もあり得ると考えなくてはならない。当面「東芝」から目が離せない。