M24型柄付手榴弾。不審物の正体はそのレプリカと見られる

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埼玉県の東飯能駅で、手榴弾発見!?――2017年5月25日朝、そんなニュースが全国を驚かせた。

世界各地で爆発テロが続く真っ最中だけに、もし本当なら大事件だ。ところがJ-CASTニュース編集部が取材してみると、「手榴弾」はいずれも偽物だったことが明らかになった。

「手榴弾」を手に男性客が...

JR東日本によると、25日朝7時20分、埼玉県飯能市の東飯能駅で「乗客と見られる男性」が不審物を持ちこんできたという。

報道によれば、植え込みに落ちていたというそれは、なんと2つの「手榴弾」らしきものだった。駅員もさぞ驚いたに違いない。

駆け付けた警察が周囲を調べると、ほかにも2つの、こちらは「パイナップル」型の手榴弾らしきものが見つかった。駅は一時封鎖され、JR八高線と西武池袋線が一時ストップ、JRだけで3000人の乗客に影響が出る大騒ぎに。12時台のNHKニュースも、関東地方の話題のトップとして伝えた。

県警は自衛隊の協力も受け、見つかった「手榴弾」4つを市内の阿須運動公園に運び、慎重に「解体」作業を行った。

英国のマンチェスターでは22日、インドネシアのジャカルタでは24日(いずれも現地時間)、自爆テロが発生し、世界を震撼させたばかりだ。J-CASTニュースも詳しい事情を知るべく、埼玉県警に電話した。ところが、

「県警として広報発表をしている事件ではないので......記者クラブ以外のメディアからは、すいませんが取材を受けていないんですよ」

「重大事件」の割に、なんだか広報担当者の歯切れが悪い。もしかして、大した事件ではないとか?

「いや、必ずしもそういうわけでは......」

ドイツ軍ファンの落し物?

メディアでも、なかなか続報がない。そこで、阿須運動公園を管理する飯能市に尋ねてみると、

「公園の封鎖はさきほど16時13分に終了したと、警察から連絡がありました。4つともすべて、偽物だったそうです」(危機管理室)

なんと、単なる「おもちゃ」だったというのだ。

なお、報道によれば最初に見つかった「手榴弾」は、木製の柄がある全長30センチほどのものだったという。ツイッターでは、ミリタリーファンなどの間で、その「特定」議論が盛んに行われており、第一次・第二次世界大戦中に使われていた「M24型柄付手榴弾(通称:ポテトマッシャー)」の可能性が高い、との見方が強まっている。Amazonではレプリカ品が、5000円程度の価格で販売中だ。

いたずら目的か、それともドイツ軍ファンの落し物か? いずれにせよ迷惑な事件だ。