電子タバコはアブナイ

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従来の紙巻タバコに代わるものとして世界的に人気を集めている電子タバコ。

「禁煙」に役立ち、タバコより健康で安全というふれこみだが、膀胱がんのリスクを高める可能性があるという研究が2017年5月12日〜16日に米国ボストンで開かれた米国泌尿器科学会で報告された。

電子タバコの蒸気が膀胱の細胞のDNAを損傷

電子タバコとは、タバコ型のパイプの中に溶液が入ったカートリッジやリキッドを入れ、電気で加熱し霧状にしたものを吸い込む商品。溶液には食品添加物などに幅広く使われるグリコール類を主成分にした香料や水が加えられ、ニコチンを含むタイプと含まないタイプがある。溶液には好みに応じ、菓子や果物のにおいがする人工香料を入れることができる。ニコチンがないタイプは「禁煙グッズ」として、ニコチン入りのタイプも「副流煙」が出ないため受動喫煙対策に役立つとして、世界的に人気を集めている。

同学会では「電子タバコが膀胱がんのリスクを高めている」とする研究が2つ発表され、5月15日に報道陣向け会議で紹介された。その内容を伝えたがん研究専門ニュースサイト「Cancer Network」(5月15日付)によると、1つ目は米ピッツバーグ大学医学部のトーマス・フラー医師らの研究だ。フラー医師らは、通常の紙巻タバコをやめてから6か月以上経過している電子タバコ愛用者13人と、紙巻タバコも電子タバコも吸わない10人の尿を採取し、分析した。

膀胱がん発症に関係がある有害な物質は5つ知られているが、電子タバコ愛用者の尿に含まれているかどうか検査すると、13人のうち12人から2つの有害物質が検出された。一方、電子タバコ・紙巻きタバコを吸わない人からは何も検出されなかった。

もう1つの研究は、ニューヨーク大学医学部のヒュン・ウー・リー医師らによるもの。リー医師らは電子タバコの蒸気をマウスの膀胱の粘膜に付着する実験を行なったところ、粘膜の細胞のDNAが損傷し、腫瘍ができることを発見した。そこで、蒸気の成分を調べると、有害な発がん物質であるニトロソアミンとホルムアルデヒドが含まれていた。この2つを、人間の膀胱粘膜の細胞を培養したものに加えると、同じようにDNAが損傷された。

報道陣に2つの研究を紹介した同学会の広報担当サム・チャン氏はこうコメントしている。

「これらの研究は、電子タバコが膀胱がんの発症に悪影響を与えている可能性を示しています。通常のタバコが膀胱がんのリスクを高めることは、すでに知られていますが、電子タバコの人気が急速に広がっていることを考えると、電子タバコの危険性を明らかにする研究が必要です」