リーグ2位につける柏でビッグセーブを連発する中村航輔。ついに日本代表へと上り詰めた俊英は、このまま風穴を空けられるか。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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 ここ数年は固定化されていた日本代表の正GK争いに、ついに一石が投じられた。
 
 5月25日の15時過ぎ。6月のシリア戦(7日/親善試合)、イラク戦(13日/ワールドカップ予選)に向けた日本代表メンバーが発表された。その1枚目のスライドに浦和の西川周作、FC東京の林彰洋という“3月シリーズ”に招集された2人は選ばれなかった。
 
 上からメスの川島永嗣。G大阪の東口順昭。そして、昨年の10月17〜19日のGK合宿にこそ呼ばれたものの、試合に向けては初選出となる柏の中村航輔。リオ五輪にも出場し、柏のアカデミーが輩出した“最高傑作のGK”とも呼ばれる22歳の俊英の名前が、3番目に記されていた。
 
 中村が台頭したのは2015年、レンタル移籍した福岡でのこと。シーズン途中から守護神の座に就くと、セーブ率87.3パーセントという脅威の数字を叩き出す。9月以降は出場12試合中9試合でクリーンシートを達成し、J1復帰に大きく貢献した。
 
 武者修行から柏へと復帰した16年には、要所で好プレーを連発。最後方からチームを鼓舞した。そうしてクラブで定位置を奪取すると、迎えた今季はビッグセーブを当たり前かのように披露し続けている。
 
 J1・10節のC大阪戦では前半終了間際に杉本健勇、後半終了間際に清武弘嗣の決定機を阻止。後者はシュートがDFに当たってコースが変わる難しいものだったが、ゴールを許さなかった。
 
 J1・11節のFC東京戦では15分に太田のFK、22分にはゴール正面からの東のシュートに鋭く反応。さらに30分の前田のヘッドも防ぐなど、最上級の輝きを放った。
 
 ヴァイッド・ハリルホジッチ監督が選考理由を話すなかで、中村について「5番手くらいの選手だったが、ここ最近は素晴らしいクオリティを見せてくれているのでメンバーに入れた」と言及した。
 
 さらに「柏はリーグ戦で2位につけているが、彼のパフォーマンスによるところが大きいのではないか」と続けた。最大限の賛辞と受け取ってもいい。実際にここまでの失点数は11で、リーグ3位タイと堂々の成績を残している。
 
 それでも、今回の6月シリーズでいきなりゴールマウスを任される可能性は低いだろう。ただし、日本代表で得られる経験は何にも代えがたい。中村が描く成長曲線は、より急激な右肩上がりとなるはずだ。

文:古田土恵介(サッカーダイジェスト編集部)
 シリア戦とイラク戦に臨む日本代表メンバー25名は以下のとおり。
 
[GK]
川島永嗣(メス=フランス)
東口順昭(ガンバ大阪)
中村航輔(柏レイソル)
 
[DF]
酒井宏樹(マルセイユ=フランス)
酒井高徳(ハンブルク=ドイツ)
長友佑都(インテル=イタリア)
宇賀神友弥(浦和レッズ)
吉田麻也(サウサンプトン=イングランド)
三浦弦太(ガンバ大阪)
昌子源(鹿島アントラーズ)
槙野智章(浦和レッズ)
 
[MF]
山口蛍(セレッソ大阪)
遠藤航(浦和レッズ)
今野泰幸(ガンバ大阪)
加藤恒平(ベロエ・スタラ・ザゴラ=ブルガリア)
香川真司(ドルトムント=ドイツ)
倉田秋(ガンバ大阪)
井手口陽介(ガンバ大阪)
 
[FW]
久保裕也(ヘント=ベルギー)
本田圭佑(ミラン=イタリア)
原口元気(ヘルタ・ベルリン=ドイツ)
乾貴士(エイバル=スペイン)
大迫勇也(ケルン=ドイツ)
岡崎慎司(レスター=イングランド)
浅野拓磨(シュツットガルト=ドイツ)
 
※順番は発表順

【日本代表PHOTO】シリア戦、イラク戦に向けたメンバー25人