個人賠償責任保険は家族も対象。子どもが起こしてしまったトラブルにも対応できる

写真拡大

 ショッピングをしていたら高価な陶磁器を落として壊してしまった――めったにないことかもしれませんが、ありえないとは言いきれません。保険にはこのように物を壊してしまった場合や、誰か他の人に損害を与えてしまった場合に備えるものがあります。今や一家に一つ必要と言われている個人賠償責任保険について確認しておきましょう。

◆保険料負担は重くない

 荒木さん(仮名)は37歳の会社員です。念願のマイホームを購入することになり、火災保険も検討中です。昨年家を購入した同僚から「個人賠償責任保険も付けておいた方がいい」とアドバイスされました。できるだけ節約したいと考えていたので、それを付けると保険料が高くなってしまうのではないかと心配ですし、火災とは関係なさそうな保険なので、今加入しなくてもよいのではないかと迷っています。

 個人賠償責任保険とは、他人にケガをさせてしまった、物を壊してしまったなど、個人が賠償責任を負った時に保険金が支払われる保険です。具体的には下記の例が挙げられます。

・買い物中に陳列商品を落とし破損させた。
・飼い犬が他人を噛んでケガをさせた。
・子供が駐車場に停めてあった他人の車をキズつけた。
・自転車で走行中に歩行者とぶつかり後遺障害を負わせた。
・マンションの自宅の風呂場からの水漏れにより、階下の戸室の家財に損害を与えてしまった。
・ガス爆発によって、隣の建物を損壊させた。
・ベランダの鉢植えが落下して歩行者の頭に当たり死亡させた。
(日本損害保険協会 損害保険Q&A Web版「そんぽ相談ガイド」)

 さまざまなケースが考えられますが、賠償金は少額で済む場合から数百万、数千万円におよぶ場合もあります。自分で準備できる金額を超えてしまう可能性があるので保険で備えておくのが合理的だと言えるでしょう。

 気になる保険料ですが、この保険についてはそれほど心配する必要はありません。保険金額1億円の保険でも一月あたり数百円の負担で済むものがいくつかあります。

◆一人の契約で家族全員が対象に

 個人賠償責任保険は、被保険者だけでなく生計を共にする同居の親族も対象になります。例えば、夫が被保険者になる契約をすれば、夫だけでなく、妻や子供が起こしてしまった事故でも保障されます。

 つまり、一家に一つあればよいので、家族それぞれが契約する必要はありません。個人賠償責任保険だけの商品もありますが、火災保険や自動車保険、共済保険の契約にも付けられる場合があるので、わが家の保険について調べてみましょう。

◆知っておきたい対象外のケース

 幅広く補償される保険ですが、対象外もあるので確認しておきましょう。

・過失の事故が対象ですから、故意に損害を与えた場合には補償されません。
・対象になるのが他の人や物なので、名誉棄損やプライバシー侵害は対象外です。
・賠償責任を負った場合に限られるので、賠償責任のない場合には補償されません。例えば失火して他の家に延焼しても、重過失でなければ法律上の賠償責任はないので、これも対象外です。
・また、ほかの人の物であっても、借りている物に損害を与えた場合も対象外になります。

 注意点があるとはいえ、少ない負担で万が一の場合には大きく補償してもらえる保険ですから、この機会に加入を検討されるとよいのではないでしょうか。

<文/森田 和子>
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者、DCA(確定拠出年金アドバイザー)。FPオフィス・モリタ 代表。お金の管理は「楽に、楽しく」、相談される方を「追い詰めない」のがモットー。企業・学校・イベント等で行うマネープランセミナー・講演も好評。NPO法人日本FP協会、WAFP関東(女性FPの会)所属。http://okane-net.com/

※ファイナンシャルフィールドでは、今回の記事のほかにも下記のような記事を掲載中
・4月から保険料がアップ。どう対策すればいい?
・60歳過ぎの退職。老齢年金と失業保険、どちらを選択するか
・超小型電気自動車によるシェアリングサービス。東京都心を快適に移動!