今作は別れを受け入れて前を向く気持ちをテーマに安田自身が作詞した

 女性シンガーの安田レイが5月24日に、9枚目となるシングル「きみのうた」をリリースした。米国ノースカロライナ州生まれ。13歳から音楽ユニット=元気ロケッツのボーカルメンバーとして活動し、2013年に安田レイとしてデビュー。今作「きみのうた」は、別れを受け入れて前を向く気持ちをテーマに安田自身が作詞を担当。たくさんの別れを思い出して、「別れた相手が毎晩夢に出た」と言うほど感情移入したと話す。彼女がこの曲に込めたメッセージや、影響を受けたアーティストなど「どうしても歌じゃなきゃ生きていけない」とまで話すほど強く願い続けてきた彼女の信念である、音楽に対する想いを聞いた。

向かう先を指し示す光のような曲

安田レイ

――「きみのうた」は、アニメ『夏目友人帳 陸』のエンディングテーマとしても知られています。胸に響くバラードですね。

 『夏目友人帳』は、主人公がいろいろな出会いと別れを経験して成長していくお話ですが、私自身ととてもリンクしました。生きて行けば生きて行くほど、うれしい出会いも増えますが、同時にたくさんの別れも経験します。そこでどう乗り越えれば良いのか、道に迷ってしまう瞬間もいっぱいあると思います。

 それでもアニメの主人公は、いろんな人の支えがありながら、前に進んで行く。私もニャンコ先生(アニメの登場キャラクター)じゃないけど、猫を3匹飼っていて、猫の癒やしもすごくあるし、音楽や人とか物とか…いろんなものが近くで、自分を支えてくれていると感じます。

――そこから別れをテーマに。

 はい。苦しい別れだけではなく、別れた相手が残してくれた思い出や記憶に対して、「前に進んでいるよ、安心してね。ありがとう」と言えるようなものになったら良いなと思って書きました。

――これは、安田さん自身の実体験も元になっているのですか?

 書いている時期は、私がこれまでに経験した様々な別れや、会えなくなった人のことや、そのときの気持ちを思いだして、本当に辛かったです。

 その当時の自分の感情とか、歌詞に<駅のホーム>と出てくるのですが、そういう景色とか。だからその時期は、ブルーになっていたと言うか、いつもとは違うテンションになっていて。それで、毎晩のように夢の中に相手の人が出て来て、何かを訴えているような感じがして、とても不思議でスピリチュアルな経験もしました。

 でも、場所や匂いなどで、フッと思い出がよみがえる瞬間がたくさんあることにも気づきました。駅のホームは、景色は変わったけど、思い出の花は自分の中で当時と同じように咲き続けている。だから目を閉じると、別れた相手がここにいると感じる瞬間が、いっぱいありました。映画や曲もそうで、一緒に歌った思い出の曲を聴くといろいろ思い出します。

――アニメのエンディングは、主人公・夏目くんとにゃんこ先生が星空を眺めている映像で、曲とぴったりですね。

 とてもぴったりで、感激しました。ジャケット写真も初めて夜に撮影したのですが、夜景の一つ一つが、そこに人が生きていること、毎日のみんなの暮らしがあることを表しています。

――別れと言うと、すごく重苦しいものになりそうですけど、決してそういう曲ではなくて、清々しさも感じました。その点は、意識されましたか?

 はい。苦しいとか辛いとかだけでは、終わらせたくないと思ったので。私は、常にプラスになるものを見つけて、ポジティブに生きて行きたいという性格です。そういうプラスの気持ちは、みんなを巻き込んで前向きにしていけるパワーがあると思っています。自分がブルーになったりマイナスな感情になると、それはきっと伝染してしまうと思うので、この曲に限らず私の曲には、必ずポジティブな感情を込めるようにしています。

 泣きたい、苦しいという、人間らしさも残しつつ、向かう先を指し示す光のような曲になれば良いなと思って。この曲で、少しでも誰かの背中を押せたら嬉しいです。

――ミュージックビデオは、ショートムービーの作品で感動しました。

 監督さんが歌詞をよく読んで考えて下さって。本当に素晴らしいストーリーに仕上げていただいて、感謝しています。MVを見たみなさんから、「感動した」というコメントをたくさんいただいて、私自身報われた気持ちになりました。

――涙を流すシーンもあって。

 ジャケット写真でも、目の下に大きめのキラキラをつけていて、それで涙を表現していたんです。でもそのときは、感極まって感情を抑えられなくて、本気で泣いてしまいました。

 撮影は、横浜の大桟橋で、当日は朝から雨も降っていて、とんでもなく寒い日でした。吐く息も白かったんですけど、それがどんどん私の気持ちをエモーショナルなものにしてくれました。

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