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■どんなクルマ?

ウラカン・ペルフォルマンテは、フェラーリ458スペチアーレやマクラーレン675LTといったサーキットを重視したモデルに対する、ランボルギーニの回答だ。

その手法はおなじみのもの。まずはスタンダードなLP610-4より40kg軽量化し、610ps/57.1kg-mから640ps/61.1kg-mへ強化している。

さらにレスポンスとパワー/トルク特性を改善。これは、低抵抗のエグゾースト・システムによるところが大きい。

しかし、このクルマでそれ以上に注目したいのは「エアロディナミカ・ランボルギーニ・アッティーヴァ」、略してALAだ。

「ALA」の効果は?

いわゆるアクティブ・エアロで、コーナリング向けのハイ・ダウンフォース・モードと、ストレート向けのロー・ダウンフォース・モードを、たった0.2秒で切り替えられるシステムだ。

リア・ウイングでダウンフォース量を変えることで、コーナー入り口で後輪の減った荷重を補い、進入ではクルマを効果的に引っ張り、脱出ではトラクションを改善する。

専用設計のPゼロ・コルサにより、その空力変化はよりはっきりと実感できるが、オプションでPゼロ・トロフェオも用意。その装着車は、ニュルブルクリンクで6分52秒をマークしている。

外見上の識別点は、ランボルギーニ独自のフォージド・コンポジット製法を用いたカーボンを広範囲に用いたエアロパーツや、ブロンズ塗装のホイール、イタリア国旗の色をあしらったサイドシルのストライプだ。

■どんな感じ?

掛け値なしにうるさい!

間違いなく速い。0-200km/hは、ベース・モデルを1秒凌ぐ。そしてうるさい。掛け値なしにうるさいのだ。

とはいえ、それは予想通りだろう。

しかし、ペルフォルマンテの走りは、ボディ・キットから想像する以上のものがある。ニュルでそれなりのラップをマークするには、シャシーは固いだけでなくしなやかさも必要となる。

実際、スプリング・レートはベース車比で10%高いだけだ。それゆえ、一般道向けのストラーダ・モードでの乗り心地は、ノーマルより著しくとげとげしいわけではない。

市街地を走っても不快な思いをせず、むしろ激しい走りを期待する周囲の目には不満に映るかもしれない。

けれどこれがスポーツ・モードに切り替えると話は変わる。ましてや、サーキット向けのコルサ・モードとなればクルマは豹変する。

最大の変化はステアリング

オプションの可変レシオ・ステアリングと磁性流体ダンパーは、ALAや再調整されたスタビリティ・コントロールのポテンシャルを存分に体感させ、このクルマをより敏捷に思わせる。

最大の変化はステアリングにあり、コルサ・モードではロック・トゥ・ロックが狭まって、スタンダードなウラカンを圧倒するほどその気にさせてくれる。その頼れる感覚は、スロットル操作にも自信を与えてくれる。

そう、そのスロットルもまた素晴らしい。

近年、ターボ・エンジンのスーパーカーに馴れつつあるが、ペルフォルマンテに積まれる爆発的な自然吸気V10は、大音量だけでなく、レスポンスとリニアさにも目の覚めるようなものがある。

実にシャープかつエキサイティングで、激しくうるさくても言い訳を探してでもピーク・パワー発生点の8000rpmまで回したくなる。それでいて、幅広いパワー・バンドが、ただ回すだけでなく、さまざまな走り方を選ばせてもくれる。

やや安全重視か

ランボルギーニは、このウラカンのハイ・パフォーマンス版にも4WDシステムを与えたが、これはニュルのラップを向上させるのに、ハードコアな後輪駆動より四輪駆動が適していたことを示唆している。

4WDであるがゆえに、自信を持てる安定したスロットル操作が可能で、コルサ・モードでもハンドリングには安全マージンが感じられる。

純粋主義者であれば、458スペチアーレ辺りと比べて、安全性重視に過ぎると批判するだろうが、ペルフォルマンテが乗り手の技量をそこまで問うことなく、ヒーロー気分を味わわせてくれることは否定できない。

■「買い」か?

後輪駆動派? 4WD派?

サーキットにふさわしい能力やラップ・タイムを追求するのは、ランボルギーニとしては新たな領域への挑戦だ。

そのためにウラカン・ペルフォルマンテは、アクティブ・エアロの特色を活かすという手法を選んだ。

さまざまな制御の熟練した調整ぶりもまたみごとで、ドライビングに水をさすことはない。このクルマの途轍もない速さは、腕に覚えのある手練れだけでなく、一般的な技量のドライバーでも味わえるのだ。

それでも、458スペチアーレや675LT、ポルシェ911GT3 RSのような後輪駆動のライバルたちを好むひとびともいるに違いない。

しかしランボルギーニ的には、そうしたサーキットに名を残すようなクルマたちと比べるに値するモデルを世に送り出したということが、大きな、そう、実に大きな一歩だと言えるのではないだろうか。

ルックスは最高で走りは猛烈、しかしサーキットでのこれまでにないパフォーマンスの水準は、スタンダードなウラカンの市街地での乗り心地は大きく損なわないままに得ている。

買わない理由など、どこにあるというのだろうか。

ランボルギーニ・ウラカン・ペルフォルマンテ

■価格 £215,000(3,116万円) 
■全長×全幅×全高 4506×1924×1165mm 
■最高速度 325km/h 
■0-100km/h加速 2.9秒 
■燃費 7.3km/ℓ 
■CO2排出量 314g/km 
■乾燥重量 1382kg 
■エンジン V型10気筒5204cc 
■最高出力 640ps/8000rpm 
■最大トルク 61.1kg-m/6500rpm 
■ギアボックス 7速デュアル・クラッチ