途中出場でチャンスを演出した久保建英【写真:Getty Images】

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英国人が見たU-20ウルグアイ戦

U-20日本代表は24日、韓国で開催されているU-20ワールドカップのグループステージ第2戦でU-20ウルグアイ代表と対戦して0-2の敗戦。この試合中、現地で取材をするイングランド人ライターのショーン・キャロル氏に随時話を聞いた。

「注目は原と市丸」「この年齢はビッグクラブで育てた方が良い」

――ウルグアイ戦のスタメンが発表されました。ショーンさんの注目選手は誰ですか?
「ボランチの2人(原と市丸)だと思う。ウルグアイは当然南アフリカより強いので、中盤で冷静にプレーしないといけないし、ゲームテンポをできるだけコントロールしなきゃ。そこの勝負に負けたら試合は難しくなると思う」

――今日のポイントはどこになるでしょうか?
「ディフェンスだね。固い守備が必要。最初から最後まで集中しなければならない」

――ウルグアイの国歌斉唱で、なぜかチリの国歌が流れてしまいました…。ウルグアイの選手は困惑しているようです。
「やばいですね! チリは参加してないでしょ?」

――日本は10分にセンターバックの冨安のミスから相手FWにボールを奪われてしまいました…。ここはGK小島がセーブしましたが、危ないシーンでした。
「いや…パニックしたね。序盤の日本はあまり落ち着いてプレーできていない」

――ウルグアイは20番のベンタンクールが夏のユベントス移籍が決まっていて、9番のスキアッパカッセはアトレティコ・マドリーBの所属です。ヨーロッパのビッグクラブにいる選手が多いですね。
「2番(サンティアゴ・ブエノ)はバルサで、16番(フェデリコ・バルベルデ)はレアル。でもそれは普通だと思う。この年齢はビッグクラブで育てた方が良い。ヨーロッパや南米の選手ではよくあるけど、日本はまだね」

――前半20分、小川が負傷でピッチに倒れ込んでしまいました。プレー続行不可能で久保建英と交代となりました。
「その怪我は(治るまで)長くなりそう。久保はどうなるだろう。前の試合はインパクトサブだったけど、今日は投入が早くなったね」

「前半は良くなかった」「目立った選手はいなかった」

――ウルグアイはじっくりとチャンスを待ってカウンターを狙う展開ですね。
「そうだね」

――日本は38分、スキアッパカッセがドリブルで2人をかわしてシュートを決められてしまいました。
「そのカウンターからだったね。スライディングのミスが2回あった。それは全然良くないね。自分たちのエリアの中なんだから」

――前半は0-1のビハインドで終えました。どんな印象でしたか?
「ふぅん…。あまり良くなかったね。守備陣は緊張してるみたい。そして攻撃はあまり機能していない」

――厳しい前半でしたが、良かった選手を挙げるとしたら誰になりますか?
「難しいね…。正直に言えば、目立った選手はひとりもいなかった。みんなが悪かったというわけではないけど、“誰が良かったか”は選びにくい」

――後半にはどんなことが必要になりますか?
「ウルグアイの選手を怖がらないようにプレーしなきゃ。技術的に日本の選手は同じレベルなのに、ここまではそれを示してない」

「これはリーグ戦ではなく世界大会」「久保のセンスは特別」

――後半の立ち上がりはどんな印象ですか?
「良い感じ。よりポジティブにプレーできている」

――日本は市丸のループシュートを相手GKが何とか触り、こぼれ球を久保がヘディングで狙いましたが枠を大きく超えてしまいました。
「決めるべきね。その前の市丸のシュートも」

――57分、久保が相手選手をかわして左足でシュート。相手GKに阻まれたところを堂安がヘディングで狙いますが、再びGKの正面でした。
「あり得ないね。でもチームは積極的なプレーしてる。僕のハーフタイムのコメントを見たのかな?(笑)」

――チャンスは外していますが、日本は少しずつゴールに近づいてきました。
「そうだね。でもこれはリーグ戦じゃなくて世界大会だから、そのようなチャンスを外すのは良くない」

――久保が見事なスルーパスから原のシュートを演出しました。
「ヤバいね。彼は常に周りを見ている。このセンスは特別」

――残りは20分…。日本はゴールを奪うために何が必要でしょうか?
「このまま続けていかないといけない。後半は非常にいい」

――ウルグアイの守備は非常に固いですね。
「そうね。よく体を張ってます。南米の選手は常に戦う姿勢を見せてる」

「決定力が違う」「“良い経験だった”と言うだけでは意味がない」

――後半アディショナルタイムに追加点を許し、日本は0-2で敗れてしまいました。アジア予選は無失点で優勝しましたが、本大会では守備が不安定なようです。
「それよりも決定力が違う。日本はチャンスを決められなかったが、ウルグアイはしっかり決めた。やっぱりU-20でも日本は日本。でもそれがサッカー。文化とつながってる」

――この試合で印象に残った日本の選手は誰でしたか?
「冨安かな。前半に大きなミスはあったけど、常にボールを欲しがっていたし、下を向いていなかった。僕はそのような自信のある選手が非常に好き」

――ウルグアイはヨーロッパのビッグクラブの下部組織に所属する選手が多くいました。やはり日本の選手も若くから海外にいくべきなのでしょうか?
「それは間違いない。できるだけ早く海外に行かなければならない。FC東京を悪く言うつもりはないけど、久保は海外でもっと育っていければと思う」

――ウルグアイとの差を見せつけられる試合となってしまいました。若い世代からこういった試合を経験することは大切なことですか?
「大切なことだけど、“良い経験だった”と言うだけでは意味がない。その経験から学んで成長しなきゃ」

――次の相手はイタリアです。1勝1敗同士の戦いですが、どんなことが大切になるでしょうか?
「プレッシャーに負けてはならない。勝ち点1でも十分かもしれないので、とりあえず前半はしっかりとイタリアと戦って、絶対に先に失点しないようにプレーすべきだと思う」

――ありがとうございました。イタリア戦もよろしくお願いします。

▽語り手:ショーン・キャロル
1985年イングランド生まれ。2009年に来日。「デイリーヨミウリ」「Jリーグ公式ウェブサイト」などにも寄稿。高校サッカー、Jリーグ、日本代表など幅広く取材している。過去にはスカパーのJリーグ番組出演も。

text by 編集部