三池崇史監督

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 シリーズ累計発行部数1億部超えの人気漫画を実写化する『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』で、メガホンを取る三池崇史監督。世代を超えて愛される漫画「ジョジョ」を、三池監督はどのようにとらえたのか。監督は映画で扱う第4部こと「ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない」について、「ある種の不良もの」だと表現する。

 本作に携わる前から、「ジョジョ」に触れていたという三池監督。そのきっかけには監督の『クローズ』シリーズに出演している小栗旬などの影響があったそう。自身の作品の出演俳優などから漫画やゲームなどの情報を受け取る中で、特に「ジョジョ」は特別な捉え方、そしてさまざまな視点があったと語った三池監督は、「これはなかなか珍しい(作品)」と話す。「第1部から2部、3部、4部……へと(シリーズ中で)場所と時空を超えているので、それぞれがビギナーでも入りやすいんですよね。そのやさしさが原作にある。だからわれわれとしても入っていきやすい」。

 その中で「言ってみれば不良もの」という第4部の実写化に取り掛かった三池監督。「壮大なジョジョという物語の中で、いきなり仙台の杜王町の不良の話になるというダイナミックな展開というのが、第4部だと思うんです」。しかし、不良と言う言葉自体が死語になりつつある昨今。リーゼントヘアや長ラン&ボンタンの昔ながらの不良スタイルが浮かないロケ地を探すことは難しい。「浮いてしまうとコスプレになってしまう」と話す三池監督は、最も今作のキャラクターがなじむ場所としてスペインのシッチェスを選んだ。「人が街をつくるのかもしれないけれども、実際の所は街が人をつくっているわけで。いろんな考え方があると思いますが、そこに取って付けたような違和感が生まれることが一番ジョジョには危険だと思ったんです」。

 また、「4部は、特にファンの人からはサスペンスだよねと考えられているのではと思うのですが、今の日本の映画界でそれを企画の段階から前面に出すと、製作サイドから敬遠されがちなんですよね」ともこぼした三池監督。だが撮影現場で監督は、その世界観を押し通すような画面を作っていた。「ミステリーもあるんですが、ある種不良ものであることは確かなんです。登場人物たちは、ちょっとドロップアウトしているヤツら。でもそういうヤツらが、自分たちなりの正義を見つけて、ときに大事なものを失う」。

 「登場人物たちは自分たちが住んでいるところを自分たちなりに守るという、なんとなく社会性に目覚めていく。でも全員“いい子”だけが目覚めるということではなく、社会に逆らっていてもそれゆえに学ぶことがあったヤツらで。そういう人間も、実は強いんじゃないかという、男の子が持っている憧れが(ジョジョの第4部では)刺激されるんですよね。自分たちをすぐに少年時代にかえらせてくれる。『ジョジョ』という本当に非常に優れた作品には、映画をも取り込んでくれるという懐の大きさもあると思うんです。それゆえにこちらは『ジョジョ』の本質にぎゅっと迫ろうという意識が出てくる。描かれた一筋の希望を強調するために、ある程度ダーティーでないといけない。映画は希望の持てる作品になっていると思います」。三池監督は笑みを浮かべながらも、熱くジョジョについて語っていた。(編集部・井本早紀)

『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』は8月4日より全国公開