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説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、『iPhoneだけで脈拍や血圧を測れますか?』という質問に答えます。

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人間の脈拍を測定する方法は、ひとつではありません。手首の動脈付近に指をあて15秒間測定し、それを4倍することで1分間の脈拍数とする昔ながらの測定方法はもちろんのこと、赤外線を体内に向け照射し血液量の変化に比例する反射や透過光を測定するという方法もあります。体表面に電波を送信し、血管が脈を打つときに発生するわずかな変化をキャッチする方法もあるそうです。

デジタルカメラを使う方法も存在します。体内を透過する環境光をイメージセンサーでとらえ、脈拍に応じて移動する血液の流れを検出することで、脈拍を測定しようというのです。iPhoneにも高性能カメラと光源(LEDライト)が装備されていますから、要求スペックは満たしています。

実際、脈拍を測定するアプリは複数存在します。iOSに標準装備されてはいないものの、App Storeを「脈拍」などのキーワードで検索すると、サードパーティー製アプリが複数ヒットするはずです。脈拍の測定といえば、リストバンドで手首に固定するApple Watchの得意分野ではありますが、iPhoneもカメラレンズに指先を置く程度で測定できるのです。顔の画像からリアルタイムに脈拍を計測する技術もあるほどですから、一定の信頼性はあるといえそうです。

もうひとつのご質問の血圧ですが、カメラのイメージセンサーを利用したアプリがいくつか存在するものの、血管を圧迫して解放するときの音で測る方式(コロトコフ法/聴診法)や、上腕に巻いた帯で圧迫された血管が心臓の拍動に合わせて起こす振動を測定する方式(オシロメトリック法)と比較すると精度に難があり、あまり実用的とはいえません。血圧については、専用機器を利用して測定したほうがいいでしょう。