待機児童問題の背景には、保育園だけでなく保育士の不足もあると言われているが、独立行政法人福祉医療機構は5月23日、「保育人材に関するアンケート調査結果」を発表した。調査に応じた25.0%の施設が「要員不足」と回答したという。

足りないのは圧倒的に「保育士」

調査は2016年9月26日〜10月14日の間、5726の保育施設を対象に実施。このうち1615の施設から回答を得た。

回答した施設の職員の構成割合を見ると、「30歳未満」(34.4%)が最多。「30歳代」(25.0%)、「40歳代」(19.6%)が続く。職員の男女比を見ると、男性が5.3%、女性が94.7%だった。

職員の雇用形態を見ると、「正規職員・非正規職員を雇用している」が78.2%で最も多い。「正規社員・非正規社員・派遣社員」(19.6%)が続き、「正規職員のみ」(2.2%)という施設もわずかだが存在する。雇用形態別の職員構成割合は、「正規」(60.0%)、「非正規」(31.0%)、「派遣」(9.0%)となっている。

2016年9月1日現在の要員状況については、25.0%の施設が「要員不足あり」と回答している。どの職種が不足しているか、という質問では「保育士」が86.3%で最多。「保育教諭」(19.6%)と「保育補助者」(10.6%)を圧倒している。要因が不足している施設の18.3%では、受入制限をしていることもわかった。

人材不足にはどう対処しているのか。対応策を複数回答で聞くと、「求人活動を実施」(99.0%)の回答が最も多い。「労働時間変更・調整」(65.6%)、「派遣社員の採用」(22.3%)が続いたが、「時間外労働増」(21.3%)という回答もあった。

深刻な新卒採用「開園以来、初めて学生の応募がなかった」という施設も

採用活動の状況はどうか。2016年度の新卒者採用実績を見ると、「1〜3人」(58.1%)、「3〜6人」(10.0%)、「7〜9人」(1.4%)、「10人以上」(0.6%)となっており、約7割の施設で新卒採用実績がある一方で、「採用なし」(29.9%)というケースもあった。

しかし、施設で働く人の労働環境は厳しい。有給休暇を除く年間休日数の回答では「101日以上106日未満」(20.9%)が最多。次に「111日以上116日未満」(18.5%)が続く一方で、「96日以上101日未満」(15.4%)、「96日未満」(14.3%)という施設もある。厚生労働省の就労条件総合調査(2015年)によると年間休日数の全業種平均は113日であることから、7割近くの施設で平均を下回っている。

2016年度ではおよそ7割の施設で新卒採用実績があるとはいえ、施設側の展望は明るくない。施設の多くが学生数や応募者数の減少などのため、従来通りの採用活動では採用が厳しくなっていると回答している。中には、「開園以来初めて、学生の採用試験への応募がなかった」回答する施設もあり、保育人材の採用活動の厳しさがうかがえる。