プリクラでの流産報告はアリなのか(画像はイメージ)

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「最後に、家族みんなでプリクラを撮りに行きました」――。そんな説明書きと共にツイッターに投稿された画像が、インターネット上で賛否を広げている。

その画像とは、胎児が「流産」したことを報告するプリクラ写真だ。そこには、20代前半とみられる若い母親が、胎内の様子を撮影した「エコー写真」を手に笑顔を浮かべる姿が写っている。

「●●ちゃんがお空に行きました」

今回のプリクラ写真がネット上で注目を集めたのは2017年5月23日のこと。あるツイッターユーザーが、「ふ、ふーん。 色々な追悼方法があるんだね」などとして、写真を公開した母親の行為を問題視するツイートを投稿したことがきっかけだ。

この母親は、「●●ちゃんがお空に行きました(伏せ字は編集部、原文では子供の名前)」などとして、ツイッターに3枚の画像を投稿していた。1枚は胎内の「エコー写真」を大写しにしたもので、残りの2枚は家族で撮ったプリクラだ。

2枚のプリクラには母親とその夫、子供の3人が写っている。どちらの写真でも、母親は手に持った「エコー写真」を胸の前に掲げ、ニッコリと笑顔を浮かべている。また、こうした写真のうち1枚には、

「パパ、ママの一番星は●●だよ!見守っててね(ハートマーク)」

といった文章が、プリクラの「ラクガキ機能」を使って添えられていた。

こうした写真をツイッターに公開した母親の行為について、インターネット上では賛否の大きく分かれた意見が出ている。ツイッターやネット掲示板には、

「色んな形の残し方があると思う」
「これも供養の形じゃねぇの?」
「可愛がりたかった気持ちは伝わってくる」

と理解を示す意見もあれば、その一方で、

「本当に悲しかったら笑顔でプリクラなんて撮れない」
「辛い気持ちを切り替えたいのは分かるけどツイッターに公開する神経は理解できない」
「なんで何でもかんでもSNS上げるんや」

といった否定的な声も出ている。

母親はアカウントを「非公開」に

この母親は、ネット上でプリクラ写真が注目を集めたことを受け、すでにツイッターアカウントを非公開状態としている。そのため、母親が初出のツイートを投稿した正確な日時などは分からない。

ただ、周囲のユーザーの反応などを見ると、問題の写真は5月21〜22日頃にアップロードされたようだ。なお、問題のプリクラ写真は一部のネットユーザーによって転載されているため、その内容が確認できる状態は今も続いている。

今回のように、人の生死に関わる写真などをSNSで公開したことで、それを目にしたユーザーから「不謹慎だ」との批判が集まるケースは過去に何度も起きている。

芸能人の例ではあるが、16年4月にはタレントの橋本志穂さん(48)が、母親の遺体とのツーショット写真をフェイスブックに投稿し、「亡骸をブログに載せるなんて非常識」「関係ない人から見たら死体」との批判が相次ぐ騒ぎになった。

では、こうしたトラブルが起きる要因は何なのか。ネットリテラシーの問題に詳しいITコンサルタント企業「チェックフィールド」(東京都文京区)の目代(もくだい)純平社長は5月24日のJ-CASTニュースの取材に、「一般論ではありますが」と前置きした上で、

「SNSを『仲間や友達だけが見るもの』として、LINEのグループチャットに近いイメージで使っている人が多いんですね。そうした人が、あまり後先を考えずにツイッターやフェイスブックに投稿した内容が、本人の予期しない形でトラブルに発展してしまう場合が多いです」

と話す。その上で目代氏は、SNS上のトラブルを避けるためには、

「投稿する内容が本当に問題ないのか、第三者の目を意識して考えることが大事だと思います」

としていた。