TBS・テレ東・WOWOW・日経など、動画配信サービスで新会社設立へ

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 TBSHD、日経、WOWWOW、テレビ東京HD、電通および博報堂DYMPは動画配信サービスを手掛ける新会社を7月に共同で設立することに合意した。日本有数のメディアグループが集結し、これまでの動画配信サービスの枠にとどまらない独自のコンテンツを提供する。17年秋にはプレサービスを実施、18年春から本格開始予定である。筆頭株主は出資比率30%以上のTBSHD、新会社の主導権を握る。

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 ドラマからバラエティ、経済報道まで株主各社の強みを生かしたコンテンツを随時更新していく。TBDHD、WOWWOW、テレビ東京HDなどから既存の番組を調達、また新会社でもコンテンツを新たに製作、他の放送会社など外部から買い付けも行う。来るBS4Kに向けて4Kコンテンツにも注力、AIなどの最新技術も活用していく。

 ネットの動画配信サービスにおいては、アマゾンやネットフリックスなどが世界を席巻、日本でもその存在感は高い。近年、日本のテレビ業界は否応なしに大きな転換を迫られた。テレビ朝日は大手IT企業サイバーエージェントと「AbemaTV」を16年4月より開始、日本テレビも「Hulu」の日本事業を買収済で定額制動画配信サービスを提供している。フジテレビも早い段階から事業を手掛けるなど、その他複数の配信サービスが乱立していることから、まさに群雄割拠の状況である。

 動画配信サービスはライフスタイルの多様化、スマホへのシフトなどから成長産業であることは間違いない。一方で急成長のなか問題視されているのが、製作面の人材難である。製作する番組の数に対して、映像コンテンツを作るスタッフの不足が慢性化しているのだ。長年テレビを手掛けた制作会社スタッフはいるものの、その根底には依然テレビとネットをライバル視する向きがある。成長著しいネット配信動画は大胆な番組作りや豊富な資金源は魅力的だが、撤退するサービスも後を絶たず、プロの製作陣もネットに踏み切れないというのが実情である。今後は業界を挙げてテレビとネットの良好な相互作用についての啓蒙が求められている。

 今回の発表により動画配信サービスにキー局が全て出揃った模様。ゆえに今回の新会社設立はネット配信出遅れのTV局連合とも揶揄されている。テレビ東京HDなどは既にWBS(ワールドビジネスサテライト)など独自チャンネルを保有していることから、それら個別サービス一本化への懸念も残る。とはいえTBSHD、WOWWOWはドラマ、テレビ東京HDは経済報道、アニメと明確な個性があるのは事実。各々の強みを発揮すればお互いを補完できるラインアップが揃うことから、今後の独自サービスには期待をしていきたい。