ツタンカーメン王の墓から見つかった儀式用戦車。エジプト・カイロ中心部の博物館から、ギザのピラミッドの近くに建設中の「大エジプト博物館」に運び込まれた副葬品の一つ(2017年5月23日撮影)。(c)AFP=時事/AFPBB News

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【AFP=時事】エジプトのツタンカーメン王(Tutankhamun)の墓で発見された副葬品の移送作業が23日、始まった。これらの副葬品は、カイロ(Cairo)のギザ(Giza)のピラミッドの近くの新しい「大エジプト博物館(Grand Egyptian Museum)」に運び込まれた。

 副葬品はこれまで、カイロのタハリール広場(Tahrir Square)にある博物館に収蔵されていたが、建物の老朽化や保管場所が手狭になったことを理由に、現在建設途中の新たな博物館に移されることになった。

 第一弾として移送されたのは、ツタンカーメン王の墓からみつかった金箔のベッドと儀式用戦車だ。墓は、1922年に英国人考古学者のハワード・カーター(Howard Carter)氏によって発掘された。

 エジプト考古省によると、国際協力機構(JICA)との共同計画の一環として行われており、移送の他、修復および保全作業なども71点を対象に行われる。

 大エジプト博物館は当初2015年に開館の予定だったが、総工費が10億ドル(約1120億円)を超えたために完成が遅れている。2018年中に一部開館の予定で、最終的には、広大な新博物館にルクソール(Luxor)の「王家の谷(Valley of the Kings)」の南部で発見されたツタンカーメンの墓の副葬品4500点を含む10万点以上が収蔵される計画だ。ツタンカーメン王のミイラそのものは、もろく輸送に耐えないため、墓の中に残されたままとなっている。

 今回、第一陣として新博物館に移送されるのは、葬儀用ベッド3台と戦車5台、織物57片など。第4王朝スネフル王(King Snefru)のレリーフもこれに含まれている。

 アラバスターの正面入り口を特徴とする新たな博物館の運用が始まれば、1902年に建てられた既存の博物館における手狭な収蔵庫の問題も解決する。

 2011年1月の民衆蜂起でホスニ・ムバラク(Hosni Mubarak)政権が倒れるまで、現在の考古学博物館は観光の目玉となっていた。しかしその後の政治的混乱のさなか、収蔵品の一部が破壊されたり盗まれたりした。
【翻訳編集】AFPBB News