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富士通研究所は5月23日、仮想デスクトップシステム(VDI)におけるレスポンス低下などの性能劣化要因を特定する自動分析技術を開発したと発表した。今後、仮想マシンが数千台規模で稼働する、より大規模な仮想デスクトップ・システムでの検証を行い、2018年度中に富士通のサービスとして提供を予定している。

新技術では、ネットワーク上のパケットを監視することで、システムの動作に影響を与えずにストレージが原因となるボトルネックの分析を可能としている。

また、同技術と開発済みの仮想ネットワーク分析技術との組み合わせにより、VDIにおける性能劣化時のボトルネック箇所を自動的に特定する分析技術を開発。新開発の自動分析技術により、運用管理者は性能劣化の原因特定のための切り分け作業に時間をかけることなく、また稼働中のシステムへ負荷をかけずに、網羅的に原因を調査して対策ができるという。

新技術は、ストレージ性能を分析する技術と性能劣化を分析する技術で構成する。ストレージネットワークはサーバ仮想マシン間ネットワークとは異なり短いデータでの通信が多く、すべてのパケットを観測した場合はデータ量が膨大になる。そのため、ストレージ機器の入出力パケットの情報(リード/ライトの種別、データ長、IDなど)についてパケットヘッダを分析し、不要なデータ部分の削除に加え、分析に必要となる一連の動作の特徴のみを抽出することにより、蓄積データを削減するストレージ性能劣化の分析技術を開発した。

同技術により、VDIの性能を損なうことなく、ストレージの性能分析に必要な蓄積データの削減が可能になるという。同技術は開発済みであるサーバ間の仮想ネットワークの分析技術を応用して開発したものとなる。仮想マシンが300台規模で稼働するシステムにおいて、同技術によりストレージの性能分析に必要な数週間規模の蓄積データを約5分の1に削減できることを確認した。

性能劣化を分析する技術は、サーバ仮想マシン間ネットワークとストレージネットワークの2つのネットワークのパケットを取得して分析し、数週間規模のデータを蓄積して網羅的に相関分析することで、システム全体からボトルネックとなっているカ所を自動的に分析する。

時系列で記録したストレージ性能とサーバ仮想マシン間ネットワークの分析結果を基に、ストレージの状態と動作していたアプリケーション種別を関連付けて解析することにより、システムに負荷をかけることなく網羅的にシステムの性能劣化原因を分析できるとしている。

同社が新技術による試作システムを、仮想マシンが300台規模で稼働する環境で実証した結果、従来はサーバ/ネットワーク/ストレージの専門家が、性能ボトルネック原因の推定・影響調査・再現・分析など一連の原因を特定する作業に2日程度を要していたのに対して、2時間程度と約10分の1の時間で分析が完了したという。

従来は1回の分析サイクルで特定に至らないケースも多く、2〜3回程度の繰り返し作業が必要になっていたが、新技術では網羅的に分析できることから、1回で原因の特定を可能としている。新技術により、VDIの運用管理者の業務負荷を削減するとともに、従来以上に安定したシステム稼働を実現し、VDIの導入を検討するユーザー企業の不安解消につながることが期待できるという。