ノキア、「セルラーV2X」アピール!「完全な自動運転にはコネクティビティが必要」

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 ノキアソリューションズ&ネットワークスは5月23日、「セルラーV2X/Connected Carの最新動向」と題して、海外の動向や、ノキアが想定するユースケースと取り組みに関する記者発表会を開催した。

 コネクテッドカーは今後爆発的に増加すると予想されており、総務省がまとめた「平成27年版情報通信白書」によると、2025年には6500万台を超えると予測されているが、業界内では、通信規格をどうするかという議論がある。コネクテッドカーの通信規格として、4G LTEや5Gなどの携帯電話網を利用する「セルラーV2X」と、車両用の狭域通信である「DSRC」が挙げられている。

 ノキアソリューションズ&ネットワークスではセルラーV2Xを推進しており、海外での取り組みや標準化活動、ユースケースなどをアピールした格好だ。

 記者発表会ではまず、ノキアのイノベーション統括責任者で、かつ5G Automotive Association (5GAA)バイスチェアであるティエリー・クライン氏がプレゼンテーションした。「ノキアとしては、コネクテッドカーについて自動車メーカー、Tier1サプライヤー、政府と対話しており、またエコシステムの取り組みの一環として5GAAとしての活動をしている。ここで申し上げたいのは、コネクテッドカーはすでに始まりつつあるということだ。5Gを待つ必要がない。テレマティクス、インフォテインメント、安全機能など4Gでも多くをサポートできる。4.5G、4.9Gと進めば、より多くサポートできるということだ」。

 また5GAAの活動についてクライン氏は「ノキアは5GAA創立メンバー。5GAAは、テレコム業界とオートモーティブインダストリーの双方のニーズ、提供できることを理解するため、この2つの業界をつなぐ団体として創立された。現在は47社が参加しており、日本からはデンソー、パナソニック、ソフトバンク、ドコモ、KDDIが参加している。5つのワーキンググループからなり、WG1はユースケース、要求条件の検討。WG2はシステムアーキテクチャの検討、WG3は評価とテスト、WG4は標準化活動、WG5はビジネスモデル検討を進めている」と説明した。

 セルラーV2Xについては、「V2Xとは、V2Infrastructure/V2Vehicle/V2Pedestrian/V2Networkなど様々な定義を含んでいる。(コネクテッドカーの通信規格は)いくつか競合技術があるが、セルラーV2Xのユースケースは非常に多く、システム展開や技術において優位性がある」と主張。「セルラーV2Xは現在、4G LTEのバージョンを世界中でパイロットテストをしている段階。(他の通信規格である)DSRCと、(セルラーV2Xを推進する)5GAAの間で議論があるのは事実だが、相互の共存や得意分野など、相互理解を深められるような活動をしていきたい」と説明した。

 続いて、ノキアソリューションズ&ネットワークス株式会社テクノロジー統括部長の柳橋達也氏が、セルラーV2Xの現状について説明した。

「V2Xで創出される市場規模は、V2ビークル、V2インフラ、V2ネットワーク、V2ペデストリアン(歩行者)を含めて、数十億ユーロとも言われている。また自動車メーカーは、自動運転を可能たらしめる技術として、自律走行だけでなくコネクティビティを重要な要素として捉えている。いま現在の自動運転は、センサーやコンピューティングによって車自体が賢くなっているが、完全な自動運転に向けたさらなる拡張と高度化には、コネクティビティが必要だ」

「V2Xの実装計画は、まず今年の秋口からQ4に向けて、4G LTE V2Xモデムのパイロット版を入手し、2018年の1Qからテレコム会社主体で、LTE V2Xモデムの車載システム検証を開始。2018年末に検証を完了し自動車業界に引き渡す。その後自動車業界側で車載統合システム検証を2年間、2020年末まで実施されるだろう」

「4G LTEモデムであっても実用化は2020年までかかる。5Gを待っているともっと先になってしまう。5GAAは、5Gという名は付いているが、4Gから技術研究を始めているのが実際のところだ。」

 また最後に、ノキアソリューションズ&ネットワークス取締役 IoT事業推進担当の西原正利氏が挨拶し、「日本にとって自動車ビジネスはとても重要なものであり、各社と連携して、ノキアのIoTプラットフォーム『IMPACT』を推進していく。テレコム業界と自動車業界では、時間軸が大きく違う。5Gのテクノロジーを前提にすると、2020年には間に合わないので、4G LTEの技術を生かしていくことが重要だ」と強調した。