手取り足取り 日本一簡単なiDeCo加入法

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話題のiDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)。メリットが多いらしいから自分も導入したい。けれど、何をどう始めたらいいか……。また、いざ加入申請したものの書類不備で躓く人も4割……(印鑑押し忘れ、必須項目記入漏れ、会社の書類不備など)。そこで、FPの井戸美枝さんが懇切丁寧に申し込み方とその注意点を手ほどきする。

■iDeCo申し込みに失敗する典型的な原因とは?

2017年1月から、ほぼ全ての人が加入できるようになったiDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)。

「掛け金が全額所得控除になる」
「運用益が非課税になる」
「受け取り時も各種控除の対象となる」

といった税制優遇が大きなメリットです。積み立てたお金の受け取りは60歳以降になりますが、老後の資産作りにはもってこいの制度ともいえますね。

国民年金基金連合会によると、2017年2月20日時点でのiDeCo加入者数は37万8949人。前年12月時点と比較して7万2635人の増加しており、加入者は徐々に増えています。

そんな中、先日参加した金融機関のセミナーで、iDeCo申し込みの4割近くが「書類不備だ」という話を聞きました。なるほど。たしかにその制度上、加入の手続きに複雑な部分があるかもしれません。せっかく申し込みをしたのに、半数近くが突き返されてしまってはよくありません。

▼まず、確認! あなたは「何号」か?

今回は、iDeCoの加入手続きと注意点を丁寧にご紹介しましょう。

iDeCoの加入手続きは、あなたの職業、働き方によって異なります。図のチェックフローで、自分はどのタイプか確認して下さい。掛け金の上限もそれぞれ異なりますのでチェックして下さいね。

■第1号・第3号被保険者の申し込みはカンタン

自営業者や学生の方は、第1号被保険者。専業主婦(夫)の方は、第3号被保険者に区分されます。これらの方の加入手続きは、簡単です。

iDeCoをどの会社(金融機関)で運営するか決めたら、そこへ資料請求をしましょう。コールセンターやウェブサイトから請求できる会社がほとんどです。数日後、説明資料や申込関係書類が送られてきます。

自営業者(第1号被保険者)の方は
・「個人年金加入申出書(第1号被保険者用)」 図2
・「口座振替申込書」

専業主婦(夫・第3号被保険者)の方は
・「個人年金加入申出書(第3号被保険者用)」図3
・「口座振替申込書」

が主な書類となります。

それに加えて「個人情報提供に関する同意書」「確認書」「本人確認書類」などが必要となるでしょう。「控えの書類」に印鑑の押し忘れが多いそうですので、注意して下さいね。

また、国民年金基金に加入している方や、国民年金付加保険料を支払っている方は、その旨をチェックしましょう。iDeCoの掛け金の上限額には、国民年金基金が合算されます。

加入の流れは以下(図4)の通りとなります。

運営機関に上記の書類を提出すれば、加入の手続きは完了です。

■第2号被保険者(会社員)の申し込みは、会社の記入書類が必要!

続いて、会社員や公務員の方(第2号被保険者)の加入の手続きをみてみましょう。

先ほどのチェックフローの通り、勤務している会社によって「企業型確定拠出年金の有無」や「企業型年金の規約」などが異なりますので、こちらは第1・3号被保険者の方と比べると少々複雑です。

少し話が逸れますが、iDeCoは受け取る年金が少ない方(自営業者や企業年金のない会社員など)の年金額を上乗せすることが主な目的です。厚生年金や企業年金が充実している方は、拠出できる掛け金は相対的に少なく設定されているのですね。

話を戻しましょう。

第2号被保険者の方も自分で運営機関を選び、資料を請求、必要書類に記入します。ただ、先ほどの第1・3号保険者の方と違うことのは、「会社に記入してもらう書類がある」ということ。

図5の「事業所登録申請書兼第2号加入者に係る事業主の証明書」と、図6の「第2号加入者に係る事業主の証明書(共済組合員用)」がそれにあたります。

会社がそれらの証明書の中で記入する項目は、おおよそ以下の通りです。

・申出社の他の企業年金等の加入状況
・事業主の署名および押印等
・申出者を使用している厚生年金適用事業所の住所・名称等
・連合会への「事業所登録」の有無等
・申出者の掛金納付方法

■口座引き落としか、給料天引きかを決める

この際、会社員や公務員は加入時に、掛け金を「給与天引き」にするか、「個人口座からの引き落とし」にするか決めなくてはいけません。

給与天引きを選べば、掛け金の所得控除を受けるための手続きを自分でする必要は原則としてなくなります。ですので、給与天引きの方が私たち被保険者は楽なのですが、会社にとっては負担増となります。企業によっては対応できないこともあり得ます。

その場合、個人口座からの引き落としを選ぶことになりますが、所得控除を申請するために年末調整が必要となることを覚えておいて下さいね。

iDeCoに会社員や公務員など第2号被保険者が加入する場合、勤務先での手続きが必要なことは意外に知られていません。2017年1月からiDeCoに加入できるようになった、という会社も多いはず。まだ必要書類の処理に不慣れな企業なども多いかもしれません。勤務先での手続きにある程度の時間がかかるかもしれない、と思っておきましょう。

■2号被保険者(会社員・公務員)の加入時の流れは?

さて、勤務先に記入してもらったら、運営機関に書類を返送します。提出する主な書類は以下の通りです。

会社員の方は
・「個人年金加入申出書(第2号被保険者用)」 図7
・「口座振替申込書」 ※納付方法によって異なります
・「事業所登録申請書兼第2号加入者に係る事業主の証明書」図5

公務員や私立学校教職員の方は
・「個人年金加入申出書(共済組合員用)」 図8
・「口座振替申込書」 ※納付方法によって異なります
・「第2号加入者に係る事業主の証明書(共済組合員用)」図6

それに加えて、「個人情報提供に関する同意書」「確認書」「本人確認書類」などが必要となるでしょう。

以上で第2号被保険者の方の加入手続きは完了です。図9は加入時の流れですので、おさらいしてください。

■加入した後も、定期的に資格の確認が行われる

加入して運用が始まると、定期的な資格確認が行われます。

第1・3号被保険者の方は、国民年金基金連合会が日本年金機構に加入者資格の有無を確認しますので、特に手続きは必要ありません。資格の確認は毎月行われます。

第2号被保険者の方は、国民年金基金連合会が勤務先に照会を行うのですが、仮に勤務先が手続きをしてくれない場合は、私たち(個人)に書類が送付されます。資格の確認は1年に1度、6月頃に行われます。念のため、手続きをしてくれるかどうか勤務先に確認しておくとよいでしょう。

(社会保険労務士、ファイナンシャル・プランナー 井戸 美枝)