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藤村岳の「男美均整のミナオシ」



「通常、男性がめったに触れないであろうコスメや身だしなみの最新情報や技術などを紹介し、日々の生活を新しい視点から見直せるようにしたい」という、男性美容研究家・藤村岳が、一流男子の所作や振る舞い、装いを身につけることの大切さを毎月綴る。

最近は、洗顔もマシンの時代に。男性にもその波は、確実に押し寄せている。長年、携わってきた男性ファッション誌の連載の最終回には、そんなトレンドの洗顔マシンをチョイスしたほどだ。

今でこそ男性誌での美容連載は珍しくないが、10年ほど前はまだまだそんな機運はなかった。そんな中、美容連載のページを設けてくれた編集部には足を向けて寝られない。

まあ、そんな懐古はさておき、今月新たに洗顔マシンを取り上げたのは、それらが本当に面白くなってきたからだ。ここでは洗顔におけるアナログケアとマシンケアについて考えてみたい。

進化が著しい魅力的な洗顔マシン



洗顔マシンと言って思い出すのが、クラリソニックだろうか。先頃、男性専用の『クラリソニック アルファフィット』が発売された。ころんとしたグレーとオレンジのやや無骨な面構え。硬く短めのブラシはいかにも男性仕様だ。パワフルな使い心地は洗っている実感がする。ヒゲを伸ばしている男性には悪くない。ヒゲの間にも掻き分けて入ってくるような感じがする。ただ、増加傾向にある敏感肌の男性には、ちょっと刺激が強すぎるのも否めない。



クラリソニック

アルファ フィット

実勢価格:2万5500円

ひげ剃り前のケアやひげを蓄えた男性の肌のために開発された、男性専用音波洗顔器。コンパクトなデザイン、デイリーとパワークレンジングの2段階設定でライフスタイルやシーンにあわせて使用したい。

今期、個人的に気に入っているのがMTG。『リファ』という美容ローラーが有名で、マドンナとの共同開発コスメや、サッカー選手であるクリスティアーノ・ロナウドと共同開発した「美容健康」グッズなどユニークで斬新なアイテムを次々発売している。ここの新製品『リファクリア』は3D音波洗顔ブラシを搭載。世界的に評価されている熊野筆の柔らかなブラシを採用し、それが3Dに動くのだ。毛先が先細りしていて毛穴より細い超極細形状にもなっている。しかもイオンクレンジングで、毛穴の奥の汚れを電荷の力で取り除く。



MTG

リファクリア

実勢価格:2万4800円

3Dソニックモーション、イオンクレンジング、熊野筆の3つの機能を掛け合わせることで、汚れ落ちと肌への優しさを同時に追求。美容理論、皮膚理論、洗浄理論を組み合わせた革新的な洗浄テクノロジーを開発。

ハッキリ言うとあまりに優しくて「本当に洗えているのだろうか?」と疑問を持つほど。とかく男性はケアに対して「やった感」を求めるものだからなおさらだ。この柔らかなタッチは少々物足りなく感じるかもしれない。だが、汚れ落ちは手で洗うのとは比べものにならないほど。

それとは異なるアプローチで仕掛けているのは、パナソニックの「濃密泡エステ」だろう。こちらは市販の洗顔料を用いて、クリーミーで濃密な泡を作り、それによるスキンケア効果を狙うというものだ。たった5秒でこれほどの泡が作れるのは、お見事。キメの細かいふわふわの泡は、顔の上を優しくすべる。用途の異なるブラシを組み合わせ、自分なりの洗顔方法を編み出せるのもいい。また、本体の底部には温感メイクオフ機能を搭載。メイクをしない男性はあまり関係ないかもしれないが、女性には至極便利。カップルでシェアする時に購入ポイントにもなるだろう。



パナソニック

濃密泡エステ EH-SC63

実勢価格:2万1000円

約5秒で濃密泡を自動生成でき、肌質に合わせて泡洗顔と泡ブラシ洗顔を使い分けられる。皮脂や黒ずみの気になる小鼻周りに使いやすい皮脂ケアブラシ付。温かいメイクオフパターでメイクもなじませて落とす。

マルチな使い方ができると言えばフィリップスの『ビザピュア アドバンス センシティブキット』だ。洗顔機能に加えて、ヘッドを替えれば、音波振動とクーリングで目もとの引き締めケアとタッピングによるフェイシャルエステのようなケアまでできる。顔以外にも首~デコルテまでと適用範囲が広い。フィリップスには男性用のビザピュアもあるのだが、筆者としては新しいこちらの方がより多くの機能があるので新製品を推したい。



フィリップス

ビザピュア アドバンス センシティブキット

SC5363/10

実勢価格:2万9820円

洗顔ブラシ、タッピングヘッド、フレッシュアイヘッドの3つがセットになった美顔器。NFCを搭載したヘッド自動認識機能だから装着ヘッドをハンドルが自動で認識。ヘッドごとに設定された回転&振動プログラムを自動で実行。

間違い洗顔で免疫力が下がる!?



手洗顔は、実はとても難しい。肌をゴシゴシこするのは論外で、その毎日の小さな積み重ねが乾燥を招き、微細なトラブルを生じさせる。やがてそれらがシワとなり、加齢とともに筋肉が弱まるとたるみへと繋がる。また、こするという刺激でメラニンが活性化し、色素沈着までも起こしてしまう。

そう、下着のゴムがウエストに食い込んでいるとその部分が黒ずんでしまうことを経験したことがあるだろう。あれこそが、刺激による色素沈着だ。手のゴシゴシ洗顔で顔全体がくすんでどす黒くなるなんてこと、考えただけでごめんだ。

さらにたとえ表面上は小さな刺激でも肌の奥では炎症が起きる。その内部の炎症が今、問題となることがわかっていて様々な老化の原因と考えられている。ということで、ゴシゴシ洗顔をする人は確実に早く老ける。

この連載で何度も訴えているが、皮膚は腸に次ぐ表面積を持つ免疫器官。この肌のバリア機能が衰えると、免疫力が下がる。「たかが洗顔で」と馬鹿にする人は、病気になってしまうリスクを自ら上げているのだ。

ドクターXに見る「手当て」の有効性



とはいえ、手によるケアがすべて悪いわけではない。先日、某社の発表会で提示されたデータに面白いものがあった。人は手で触れることによって幸福感が増し、精神的にも落ち着くというのだ。これは昔から言われてきたことで、まさに日本語の「手当て」という表現にぴったりくる。手で触れることによって、その温もりが触れられた人に安心感を与えるという。もちろんそのプリミティブな効果は自身によるケアにも当てはまる。

そういえば大人気のドラマ『ドクターX』でも主人公の大門未知子は執刀後に患者に全身麻酔がかかっていても必ず肩を念を込めるように触れる。あの行為にこそ、手当ての有効性が表れているといっては言い過ぎだろうか?

また、かつてチャップリンは『モダンタイムズ』の中で、高度に自動化された社会を痛烈に批判した。主人公・チャーリーが、労働者の食事時間を節約するための自動給食マシーンの実験台となる場面はつとに有名だ。かといって、手がマシンに必ず勝るとも思わない。掃除はルンバに任せたいし、今どき洗濯板で洗う人もいないだろう。洗濯物をたたんでくれるマシンまで登場したほど、効率化が進んでいるのだから。

そんな時に熊野筆を使った貝印の『高密度洗顔ブラシ プレミアム』がいいかもしれない。手を使いながらも肌にはブラシが触れる。こういうワンクッションを挟むことで変に力まず、余計な刺激を与えにくくなるのだ。また、マシンほど大きくないので洗面台で場所を取らないのも使い勝手がいいだろう。



貝印

高密度洗顔ブラシ プレミアムタイプ

実勢価格:2700円

高密度洗顔ブラシ。独自の三角形状のブラシは顔の凸凹にフィットするS字形状を採用する。PBTのクリンプ毛とストレート毛を独自配合し、もっちりとした泡立ちを実現。パールホワイトの独自形状のハンドルも握りやすい。

世知辛い昨今、つい目先の効率ばかりに目を奪われがちだが、ドメスティックな対応もまた大切だ。特に肌や体といった精神(心と言い換えてもよい)と深く繋がりを持つ部分をケアすることにおいては。しかし、洗顔マシンの優秀さも否定できないと、筆者でさえ迷ってしまう。さて、読者諸賢はどちらを選択するだろうか?

文/藤村岳

藤村岳/大学卒業後、編集者を経て独立。シェービングを中心に据えた独自の男性美容理論で、総合情報サイトAll Aboutの「メンズコスメ」ガイドなどとして活躍中。最新著書に『一流の男はなぜ爪を手入れするのか?』(宝島社)がある。

※『デジモノステーション』2017年2月号より抜粋

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