来日イベント時のブラッド・ピット 彼がインタビューで語ったこと

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 2011年ごろに将来的にはプロデュース業に専念すると語っていたブラッド・ピット。製作・主演を務めた映画『ウォー・マシーン:戦争は話術だ!』のため来日を果たしたブラッドは、自身のこれからについて、「これからは1年に1本、映画に出演して、あとはプロデュースの方に力を入れたいと思っている」と語った。

 23日、メガホンを取ったデヴィッド・ミショッド監督と共に都内でインタビュー取材に応じたブラッド。本作はブラッドが代表を務める製作会社「プランB」と映像配信サービスNetflixが共同で製作した作品で、ブラッドは主演俳優としてだけではなく、プロデューサーとしても名を連ねている。ブラッドは「プロデュース業は本当にやりがいのある仕事。さまざまなストーリーを知ることができるし、信じている映画監督をサポートできるなんてね」と言うと、ミショッド監督には何年も前からその仕事ぶりから目をつけていたと明かす。そして「監督のような素晴らしいストーリーテラーと組むことは魅力的なんだ」とコメント。

 するとミショッド監督は、「とにかくブラッドはプロデューサーと俳優としての顔をはっきりと分けている」と話す。「プロデューサーとしての彼は僕ら監督たちに自信を与えてくれる存在だ。(プランBの)デデ・ガードナーとジェレミー・クライナーも、全面的にサポートしてくれる。特に今回のような作るのが難しい映画の場合には、おとなしめに制約されたりとか、保守的にされたりするんだけど、今回は最初からチャレンジできるぞという可能性を非常に感じた。一方で俳優の時のブラッドは全然違って。映画では俳優と監督がキャラクターを作っていくコラボレーションがあり、『信頼』がすごく大事になってくる。彼は僕に自分を完全に預けてくれたんだ」。

 『ウォー・マシーン:戦争は話術だ!』は、2010年にアフガニスタン駐留米軍のマクリスタル元司令官が失脚するきっかけとなったインタビュー記事(当時のバラク・オバマ米大統領をマクリスタル元司令官が批判した内容)を書き、2013年に亡くなった記者マイケル・ヘイスティングス氏の著書を原作にした作品。だが映画の主人公は記者ではなく、ブラッド演じる「マクマホン将軍」。22日に行われた会見では「戦争の滑稽さや愚かしさを表現したいと思って作った映画」と話していたブラッドだが、劇中では将軍を完全な“悪”ではなく、同情の余地がある人物として描かれている。

 これに対してブラッドは、「ジャーナリズムと映画づくりというものは全く違うもの。映画づくりでは表現上で見えている部分の裏に入りたいわけだ。そしてキャラクターを観客に気に入ってもらわないといけないというところがある。今作では戦争という『機械』自体を表したかった。実際は若い兵士たちがどんどん死んでいっているというメカニズムがあった。そこに入っていきたかった」と説明。本をそのまま描くのではなく、テーマを描くことが大事だったと話す。

 隣に座るミショッド監督も「アメリカやわたしの出身国であるオーストラリア、NATOの人を含めてかなり長い期間アフガニスタンに行き戦争に参加している。なぜこれだけの錯覚や幻覚を抱き、ずっと継続してしまう状態を作ってしまったのか。そのシステムが問題だと思う。悪い奴らが、悪い決断をして愚かしい戦争を続けているというわけではなく、そのメカニズムがあるということなんだ」と続けていた。

 しかし劇中はシリアス一辺倒ではなく、ときに笑える要素も入り混じる。ブラッドは「コメディーというものは人間の真実を表したりする。人間の“欠点”というものが出ているからこそ笑えるんだ。演じていてなぜおかしいのかというところは説明できなかったとしても、そこにはやはり真実が含まれているのだと思う」とも述べていた。(編集部・井本早紀)

Netflixオリジナル映画『ウォー・マシーン:戦争は話術だ!』は5月26日全世界同時配信