21日、香港・アップルデイリーによると、香港で日本人が経営するパン屋が移転を余儀なくされたことに対して、付近の住民らから惜しむ声が上がった。資料写真。

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2017年5月21日、香港・アップルデイリーによると、香港で日本人が経営するパン屋が移転を余儀なくされたことに対して、付近の住民らから惜しむ声が上がった。

香港のマンション群などがある場所には、付近に小さな店が集まるマーケットが併設されていることが多く、人々の生活を支えている。九龍にある天馬苑マーケットでは、このほどオーナーが変わったことによる全面的な改修が決定。立ち退きを余儀なくされた店舗の中には、日本人の久下さんが経営するパン屋「Bread Plus麺包・家」があった。

昨年末、改修工事を理由に半年以内の立ち退きが勧告され、3月からは管理費の大幅な増額が始まった。これにより、来月末までにはマーケット内のすべての店が出ていく見通しだという。改修後には賃料などが大幅に引き上げられるとみられ、再び同じ場所で店を開くことは難しい。同店は別の場所に移転して営業を続ける予定だという。

天馬苑での最後の営業日となった21日、付近の住民らで結成した「天馬苑を救う大聯盟」が歓送会を開催。店の前には100人近くの市民が集まり、歌を歌うなどして別れを惜しんだ。店の壁一面に同店を支持する言葉が書かれたメモが貼られており、地元住民にいかに愛されていたかが分かる。

久下さんは集まった人々を前に「私はこの場所が好きです。ここの人々が好きです。ありがとうございます」と涙ながらにあいさつ。メディアの取材に対して「これだけたくさんの人が支持してくれてうれしい。ここを離れるのは本当に寂しい」と語った。送別に来ていた親子は、「この店のパンはとてもおいしい。すごく残念」と話した。

香港ではこうしたマーケットが民営化されて以降、あちこちで同様の現象が起きている。地元住民、特に遠くまで出かけることが難しい高齢者にとっては日常の生活にも影響が及ぶこともあり、市民からは香港政府に対策を求める切実な声が上がっている。(翻訳・編集/北田)