インドネシア首都ジャカルタで涙ながらに記者会見する、ジャカルタ特別州のバスキ・チャハヤ・プルナマ知事のベロニカ・タン夫人(左、2017年5月23日撮影)。(c)AFP=時事/AFPBB News

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【AFP=時事】世界最多のイスラム教徒人口を抱えるインドネシアで、イスラム教を侮辱した宗教冒涜(ぼうとく)罪に問われ、禁錮2年の実刑判決を受けたジャカルタ(Jakarta)特別州のバスキ・チャハヤ・プルナマ(Basuki Tjahaja Purnama)知事が、「国のため」として控訴を取り下げた。同知事の妻が23日記者会見を開き、涙ながらに明かした。

 バスキ知事はキリスト教徒。インドネシアの過去半世紀で初の非イスラム教徒の知事であり、また同国史上初の中国系首長だった。再選を目指していた選挙運動期間中にイスラム教の聖典コーランを侮辱したとして有罪判決を受け、今月収監された。

 この判決は衝撃を持って受け止められ、国内に宗教的不寛容が広がっているとの懸念を引き起こした。この問題のあおりもあり、バスキ知事は先月実施された知事選の決選投票で敗北した。

 知事は判決を受けて控訴の意向を示していたが、23日になってベロニカ・タン(Veronica Tan)夫人が控訴は断念すると予想外の発表を行った。この決断について、夫人はここ数か月にわたってインドネシア社会を分断してきた騒動に終止符を打つためだと述べた。

 夫人は獄中のバスキ知事が書いた書簡を読み上げ、控訴取り下げの理由を「国民とわが国のため」と説明。そこにはさらに、「抗議デモに伴う交通まひで、渋滞や経済損失が生じており、ジャカルタ市民は大きな損害を受けている。あってはならないことだ」と書かれていた。

 またバスキ知事の弁護士も、「公利」を優先するための決断だったと語った。
【翻訳編集】AFPBB News