村田諒太に次なる世界戦の可能性が出てきた(画像はアッサン・エンダムに敗れた翌日2017年5月21日の日刊スポーツ、サンケイスポーツ、朝日新聞朝刊)

写真拡大

世界タイトルマッチで「不可解判定負け」を喫したプロボクシングのミドル級・村田諒太(31)=帝拳=に次の世界戦の打診があったというが、それが実現した場合に考えられる「対戦相手」にインターネット上では早くも注目が集まっている。

複数の名前が取り沙汰されているが、特に驚異的な強さでチャンピオンに君臨しているのがカザフスタンのゲンナジー・ゴロフキン(35)だ。

WBC、WBO会長からオファーか

2017年5月23日付でスポーツ紙各紙が報じたところでは、帝拳プロモーションの本田明彦会長は22日、世界ボクシング評議会(WBC)と世界ボクシング機構(WBO)の両会長から村田陣営にタイトルマッチのオファーが届いていると明かしたという。

世界のボクシング団体はWBC、WBOに加え、世界ボクシング協会(WBA)、国際ボクシング連盟(IBF)が「主要4団体」と呼ばれる。それぞれに王座と世界ランキングが存在し、複数団体にまたがって王者やランカーとなっている強豪選手も少なくない。

村田が20日、フランスのアッサン・エンダム(33)と対戦して2-1で判定に泣いたのはWBAミドル級王座決定戦。村田はエンダムからダウンを取ったりロープやコーナーに複数回追い詰めたりしたため、視聴者や関係者の間では優位に試合を進めていたとの見方が強く、試合結果に世界中で疑問が噴出した。

WBAのヒルベルト・メンドーサ・Jr.会長も試合後「2人の再戦を要求する」とツイッターで発信。22日の時点ではWBAから正式な通知は村田陣営に届いていないというが、本田会長は村田の気持ちが落ち着いたら話し合い、選択肢の1つとして再戦を考えているという。

村田自身、敗戦直後は「簡単にもう1回やりますという気持ちにはまだなれていない」としたが、22日には「もういいやという感じではない」と次の挑戦に前向きな姿勢を示した。

WBA17回、WBC6回、IBF3回防衛の王者

エンダム戦で優位に試合を進めたため、次は世界を取れるという空気も漂ってきた。村田が世界で通用する実力の持ち主であることは証明済みだが、仮にWBA以外で世界タイトル戦が決まった場合に考えられる相手は生半可ではない。

現WBCミドル級王者のゲンナジー・ゴロフキンは圧倒的な戦績を誇っている。2010年に1ラウンド(R)58秒のKO勝ちでWBAの王座を獲得すると、その後10回王座を防衛して14年、王者より上のWBA「スーパー王者」に認定された。同年中にWBA・WBC世界ミドル級王座統一戦に挑み、2R1分19秒でKO勝利してWBC王座も獲得。15年10月にはWBA・WBC・IBFの3団体世界ミドル級王座統一戦にもTKO勝利した。17年3月までの試合での王座防衛回数は、WBA17回、WBC6回、IBF3回となっている。

インターネット掲示板2ちゃんねるでも村田世界再挑戦の可能性の報を受けて「ゴロフキンとやれるのか」「ゴロフキンに勝ったら伝説だ」「ゴロフキン倒したらミドル級の頂点だな」などと頻繁にその名前が挙がっている。

ゴロフキンは17年9月にメキシコのサウル・アルバレス(26)と対戦予定で、仮に村田がWBCに挑戦する場合、その相手はこの試合の結果による可能性がある。アルバレスの強さも折り紙つきで、この試合は「ドリーム・マッチ」との見方が強い。アルバレスは現在WBOスーパー・ウェルター級王者だが、元WBOミドル級王者でもある。23日付の報道によると、村田陣営にはアルバレス陣営から「対戦してもいい」との意向が伝えられているという。