【詳細】他の写真はこちら

南井正弘の「RUNNER’S DIGIHIGH」



現在所有するユニーカーは約1000足! 世界中のマラソンレースに出場する南井正弘が、ランナー目線で綴るデジタルの”グッとくる話”

セレクトショップのスタッフにも着用者が多い!?



その美しいデザインと正確なGPS信号の捕捉機能で、ランナーから高い信頼を得ることに成功しているスント。フィンランド発祥のブランドらしい洗練された北欧デザインは、ランニングシーンはもちろんのこと、オフのカジュアルシーンで着用するのにも最適。セレクトショップのスタッフにも着用者が多いなど、数あるランニング用GPSデバイスで随一のカジュアルシーン着用率を誇ると言われている。そんなスントの最新モデルである「スパルタン」シリーズは、その高級感のあるデザインに加え、スントのランニングデバイスとしては初のタッチパネルやカラーディスプレイを採用した点など、早くもランナーたちの間で話題となっている。

筆者はこれまでに5種類のスント製ランニング用GPSデバイスを使用してきたが、他ブランドと比較して圧倒的に美しいフォルム、正確な距離計測といった特徴に魅せられ、このブランドに絶大なる信頼を置いてきている。スントというブランドは、ガーミンのようにシーズンごとに新機能を追加するブランドとは異なり、どちらかいうと既存の機能を時間をかけてじっくりと熟成。完成度を究極レベルに引き上げるようなアプローチで知られ、これまでに数多くのアウトドアマン、そしてランナーから絶大なる信頼を得てきた。



SUUNTO

SUUNTO SPARTAN ULTRA STEALTH TITANIUM(HR)

実勢価格:11万9880円

カラータッチスクリーンと心拍計測機能を搭載した、アドベンチャーやマルチスポーツを楽しむアスリートのためのGPSウォッチ。

数々の海外レースでも筆者を支えてくれた逸品



今回トライしたのはステルス爆撃機の機体カラーをモチーフにしたと思しき『スパルタン ウルトラ ステルス チタニウム』。カラーリングこそ目立たないが、独創的なデザイン&高級感あふれる雰囲気は存在感十分。このランニング用デバイスを筆者が左手首に装着することで、「その時計はどこのですか?」「新しいスントですか?カッコいいですね!」など、友人から声を掛けられる機会が確実に増えた。その数は最近では、10月末にリリースされた「Apple Watch Nike+」と同レベル。ここまで注目されるデバイスは、これまでにもなかなか存在しなかった。それだけ本機のデザインにはインパクトがあるということの表れだろう。



▲文字盤デザインは各種デジタルなどからセレクトできるが、筆者のお気に入りはこのシンプルなアナログタイプ。

そんな見た目だけではなく、肝心の機能も当然かなり満足できるレベルに仕上がっている。イギリスのヨークシャー地方で行われた「シェパーズ スカイライン フェルレース 2016」と、キューバの首都ハバナで行われた「ハバナマラソン2016」でも使用したが、正確な距離計測はもちろんのこと、大型のディスプレイは走りながらでも視認性が高く、1劼瓦箸離薀奪廚盂稜Г靴笋垢った。ラップ時は音だけでなく、バイブレーションでも知らせてくれるので、沿道の観衆の応援が多い大会では非常にありがたかった。

しかもタッチパネルは三つあるサイドボタンのセンターを押さない限り反応することはないので、走行中の誤動作も非常に少ない。これまで使用してきたスントの「アンビット」シリーズも優秀だったが、それに劣らず本機もかなり使い勝手が良い。また、従来のスント製品と同様に、PCやスマートフォンの「ムーブスカウント」というアプリで、走行データは逐一管理することができる。



▲ほかのスント製品と同様にムーブスカウントでランのデータを管理、確認することができる。

ちなみに「スパルタン」シリーズ最上級機種となる本機のバッテリー寿命は最大26時間。このスタミナならウルトラマラソンや長距離のトレイルランニングレースにも十分対応可能だ。さらに本機の魅力的なところは、日常生活でも便利な機能性を有していること。「Apple Watch」などと同様にインスタグラムやGmailなどの通知を行ってくれ、スマートフォン本体を操作しなくてもそれらを確認できる点は、忙しいビジネスパーソンにもありがたい機能のはずだ。



▲インスタグラムの「いいね!」通知やGmailの受信通知は日常生活において本当に便利。

残念な点も三つほどあるがお気に入りなのは間違いない



このようにスントが持つ技術の粋を結集して完成した「スパルタン ウルトラ ステルス チタニウム」。現在市場に存在するランニング用GPSデバイスとしては、トップレベルの機能性を誇ることは間違いないが、とはいえ個人的には三つほど残念な点がある。

一つ目は税込みで11万3400円という価格。ランニング用デバイスの価格の主流が4万円台以下であることを考えると、この価格設定だと一部のランナーしか購入の選択肢には上げにくいだろう。考え方を変えて「高級感のあるカッコいい腕時計に、トップレベルのランニング対応機能が付属している」と考えれば高くないかもしれないが……。

そして二つ目が時差のある国に行った際に、自動で時刻が切り替わらないところ。これに関しては対応しているブランドも少なくないので、ソフトウェアアップデートなどで早急に対応してほしい。

そして三つ目が手首部分で心拍計測ができない点。最も正確な心拍数の計測は胸部でないと行えないというのは理解できるが、いちいち心拍ベルトを付けるのは面倒であると考えるランナーは少なくない。ランニング時だけでなく普段も着用してみたいと思えるデザインだけに、手首部分での計測のほうがいいと思った次第である。

このように最後に厳しいことを書いたものの、使用するようになった2016年11月上旬以降、筆者の左手首にはこのモデルと「Apple Watch Nike+」のいずれかが占有していることが示すように、現時点では最も気に入っているランニング用デバイスであることだけは間違いない。



▲基本はマットブラックだが、別売りのカラーバンドを組み合わせればポップな印象に変身させることも可能だ。

文/南井正弘

みないまさひろ/フリーライター、ランニングポータルサイト『Runners Pulse』編集長。某スポーツシューズブランドでプロダクト担当を10年務める。かつて、伝説的クイズ番組『カルトQ』(フジテレビ系)のスニーカー部門チャンピオンにも輝く。ほぼ毎日のランを欠かさないファンランナー。

※『デジモノステーション』2017年2月号より抜粋

南井正弘の「RUNNER’S DIGIHIGH」連載一覧ページ