奨学金は借金?借金ならば奨学金よりも奨学借金の方が言葉としては正しい?

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最近大学生奨学金破産が社会問題となっている。そもそも奨学金は、本来返済義務の無い給付奨学金であったはずなのに、何故奨学金の給付を受けた大学生が破産してしまうのだろうか。「教えて!goo」でも、「奨学金に関して最近奨学金が卒業後になって返せなくて苦しいとかって話題になっていますが」ということで質問が投稿されている。

■「奨学金は借金です」という回答者たち

質問者は、奨学金は借金だと思っているようだ。つまり借金である以上、返済するのが当然であり、返済できなくなった学生達が自分達に原因があることを問題とせず、奨学金制度自体に疑義を呈することは変なのではないかとしている。さてこれに対する回答を早速見ていこう。

「質問者様の考えは間違ってないと思います。もちろん、本人の努力だけではどうしようもなく、救済が必要なケースもあるのは承知してますが、それ以上に多くの人が奨学金を安易に考えすぎていることは確かだと思います」(poco_2さん)

「高卒での就職が難しいから奨学金を借りて無理をして大学へ行く。でも結局は奨学金返済にまわせるほどの稼ぎの良い就職ができないケースがある。就活に失敗したり、入った会社がブラックだったり、定職に就けずにいる人が返済できないでいるんです。結局せっかく大学出てもその意味がない。あとに借金だけ残る。新卒で社会人になった時点で400万500万という額の借金を背負っている。これは大変なことです。あ、奨学金は借金という解釈は間違ってないですよ。借りた人間の自己責任というのも間違ってないです。要は大学に行かずとも安定した就職ができる世の中ではないことが間違ってるのです」(youcanchan)

回答者の多くは概ね質問者に賛同している。しかしその一方で、奨学金制度を利用して大学に進学し、その後就職しても、それを返済するだけの能力が、奨学金制度を利用した全ての人にあるかというと決してそうではないという意見もあった。

■借金だけではなく贈与のケースもある

さてここからは奨学金破産問題に詳しい塩澤法律事務所の塩澤彰也弁護士にご意見をを伺った。まずは奨学金を借金と捉えることについて。

「奨学金には、貸与でなく贈与のケースもあります。しかし貸与の場合は、借金と同じと考えてよいです。違いは、一定の職に就いた場合には、その借金を返さなくてよいなどの特約が付いているケースがあること、保証人が要求されるケースが多いことがあるかと思います」

借りたものは返す、これは当然のことだが、本人が返せない場合は、保証人がその返済義務を負うのだろうか。奨学金の保証人となると、当然その両親が想定されるが、万が一保証人も返済できなかった場合はどうなるのだろうか。

「例えば父親が保証人となり、その父親も返済できない場合には、父親も破産する可能性があります。奨学金の場合は、法律家などに依頼しなくても、普通の借金の場合以上に(普通の借金の場合、法律家が入らないと減額してくれないケースが結構ある)、毎月の返済額を減らす要望などに応じるケースがあるようです。また、法律家(弁護士や司法書士)に債務整理を依頼し、法律家から債権者に債務整理の連絡をした時点で、債権者は、信用情報(いわゆるブラックリスト)に載せます。もっとも、3か月以上滞納しているような場合には、すでにブラックリストに載っている可能性が高いです」

借金をする理由は事業用や生活費など様々だが、奨学金という名前のついた借金で破産した場合も、通常の破産と同等の扱いを受けるのだろうか。

「任意整理(毎月の返済額を減らしてもらう等)と異なる、破産のデメリットとしては、官報(国の広報誌)に載る、ということがあります。もっとも、通常、官報を見ている人はほとんどいませんので、実際に官報に載って支障があるケースは非常に少ないです。その他には、資格制限といって、破産申立中は、保険の外交員、警備員、各士業等の職に就くことができない、というデメリットがあります」

纏めてみると、贈与の場合もあるが貸与された奨学金は、事実上借入金(ローン)であるということ。当然返済義務があるので返済しなければならない。なんらかの理由で返済が困難となった場合、交渉によっては毎月の返済額を変更して貰える救済措置もあるとのこと。

奨学金が借金であることが明らかになった今、奨学金という名前を、奨学借金や学費ローンに変えたほうが、奨学金破産のような問題も減るのではないだろうか。少なくとも借金であるという認知が上がれば上がるほど、借りるかどうかに慎重を期すことは間違いないさそうだ。

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