「グラエコピテクス・フレイベルギ」の下顎化石。ドイツ・テュービンゲンで。AFP Extra提供。(c)AFP=時事/AFPBB News

写真拡大

【AFP=時事】500万年前のアフリカで人類は類人猿から枝分かれした──この長年の定説に疑問を投げかける研究論文が22日、発表された。研究は、分岐がそれよりも早い時期に欧州で起きた可能性があるとしている。

 ヒトと最も近縁のチンパンジーに共通する最後の祖先が生存していた場所をめぐっては、科学者の間で激しい議論が交わされているが、今回、人類の起源についての新たな仮説が、ギリシャとブルガリアの洞窟で発見された約720万年前の骨の化石を基に立てられた。

 今回の研究で、フランス、ドイツ、ブルガリア、ギリシャ、カナダ、オーストラリアの科学者らで構成された研究チームは、化石人類「グラエコピテクス・フレイベルギ(Graecopithecus freybergi)」の標本2体から採取した歯根の分析を行った。

 ギリシャで発見された下顎とブルガリアで発見された上顎小臼歯をコンピューター断層撮影法(CT)でスキャンしたところ、これらの化石に人類が出現する以前のヒト科生物の特徴を確認することができたという。

 さらに、グラエコピテクスをめぐっては、最古の人類(ヒト亜族)とも考えられている「サヘラントロプス(Sahelanthropus)」よりも以前に存在していたことも明らかになった。サヘラントロプスは、現在のアフリカ・チャドに当たるエリアで600〜700万年前に生存していたと考えられている。

 米オンライン科学誌プロスワン(PLOS ONE)に掲載された論文によると、ギリシャで発見された化石は724万年前、ブルガリアで発見された化石は717万5000年前とそれぞれ起源を遡るという。

 共同執筆者でカナダ・トロント大学(University of Toronto)古人類学者のデービッド・ビガン(David Begun)氏は、「この年代から、ヒトとチンパンジーの分岐が地中海エリアで生じたと考えることができる」と語った。

 共同執筆者で独テュービンゲン大学(University of Tubingen)教授のマレーン・ベーメ(Madelaine Bohme)氏(人類進化)は、類人猿からの分岐の背景には環境の変化があった可能性が高いとし、700万年以上前に形成された北アフリカの砂漠や南欧のサバンナ化が、ヒトとチンパンジーとの分岐において中心的役割を果たした可能性があると説明した。
【翻訳編集】AFPBB News