沖縄の離島に恋して一人旅をはじめてはや10年。そんな旅好きライター・コマツが、沖縄の離島をご紹介する連載企画『沖縄離島散歩』。
第1回目となる今回ご紹介するのは、石垣島の離島ターミナルから船で1時間ほどの距離にある、日本最南端の島『波照間島』です。 

強運&過酷な船旅に耐えた人しかたどり着けない日本のさいはて『波照間島(はてるまじま)』

輝くような美しい海と、うっとりするような夕日、こぼれ落ちそうな星空...。訪れる人を虜にする日本最南端の島・波照間島は、人口約500人の小さな小さな島です。
天候に左右されやすく、船の欠航は日常茶飯事。何日待っても船に乗れなかったり、島まで辿り着いたはいいものの帰りの船が何日も欠航続きで帰れないこともよくあること。波の激しい外洋に出ることから船がジェットコースターのように揺れ、港に到着した頃には船酔いの乗客でトイレに行列ができるのも、これまた日常的な光景です。
過酷な船旅に耐え、なおかつ無事に行って帰ってこれるだけの強運の持ち主でないと辿りつけない波照間島。そんなリスクと隣り合わせで出会える夢のような光景は、なにものにも代えがたい素晴らしいものなんです。
 

一度見たら忘れられない! 息をのむほど美しい『波照間ブルー』




波照間島といえば、やはり日本有数の美しい海。波照間島のある八重山地方で最も美しいと言われる海を一望できるのが、島の北に位置する『ニシ浜』(八重山地方の方言で北のことを「ニシ」と呼びます)。
晴れた日は水面がキラキラと蛍光色に輝く美しいこの海の色は、『波照間ブルー』と呼ばれ唯一無二の美しさとして世界中の人に愛されています。海の向こうには西表島の姿も。


また、ニシ浜は美しい夕日が見られる絶好のスポットでもあります。

ダイナミックな海。波照間島のもうひとつの顔




穏やかなニシ浜と違ったダイナミックな海が見られるのは、島の南側の『高那崎』。豪快な波が白波を立てて打ち寄せ、断崖絶壁が数キロに渡って連なります。


ここには、波照間島のもう一つの観光名所「日本最南端の碑」も。島で最もフォトジェニックな場所のひとつでもあります。
 

日本ではココだけ! 南十字星が観測できる貴重な島




波照間島は、日本で唯一『南十字星』が見られることでも有名です。波照間島は緯度が低いので、日本ではほとんど観測できないと言われているような星座も高確率で見ることができます。
ビーチに寝そべって波音に耳を傾けながら、こぼれ落ちそうな星空を眺めるだけでもこの島に来た価値があります。
 

ちょっと一息。波照間島に行ったら絶対食べたい絶品かき氷


太陽の強い日差しが降り注ぐ南国・波照間島はさとうきびの栽培も盛ん。島産の黒糖を使った冷たいかき氷はいかが?  ニシ浜から少し上がったさとうきび畑の丘の横にある『パーラーみんぴか』は、波照間島に来る旅行者なら絶対外せないスポット。かき氷だけでなくジュースやカレー、デザートなどもいただけますが、やっぱりイチオシは波照間産の黒糖を使った黒蜜かき氷です。



ドドーン!

すっごいボリュームのかき氷、なんともフォトジェニックです。暑さでみるみるうちに溶けてしまうので、素早く写真を撮ったら急いで食べることをおすすめします。・パーラーみんぴか
沖縄県八重山群竹富町字波照間46511:00〜13:00、14:30〜16:30(木曜定休日)

“幻の焼酎”と呼ばれる『泡波』の酒造所もある!



波照間島には、「幻の焼酎」と呼ばれる焼酎『泡波』の酒造所もあります。波照間島を中心に販売しているため島外に出荷される数が少なく、生産数も少ないので島以外では滅多に手に入らない希少な焼酎です。
 



忙しい毎日から離れて、遠くに聞こえる波音と吸い込まれるような青い空の下で、サトウキビ畑を眺めながらゆっくりと焼酎を飲む…。そんなゆったりとした時間を楽しめるのが波照間島なんです。
・アクセス石垣島離島ターミナルより高速船で約1時間定期高速船:安栄観光(0980-82-2691)