南ア戦の決勝アシストに見る15歳久保の才能 FC東京トップ選手も認める“気遣いのプレー”

写真拡大

U-20W杯初陣で堂安の決勝ゴールを演出 「ナイスボールをくれた」

 日本代表MF堂安律は、21日のU-20ワールドカップ(W杯)韓国大会グループリーグ初戦の南アフリカ戦で奪った殊勲の決勝弾を、次のように振り返った。

「(アシストした久保は)賢い選手なんで、ああいうところを見てくれているなと感じて、(パスを)出した。それにナイスボールをくれた。僕は左利きですし、あそこは決めなきゃいけないコースなんで」

 1-1で迎えた後半27分、MF久保建英がチームを勝利に導く得点を見事に演出した。久保が堂安からのパスで左サイドを抜け出すと、「ボールが伸びた分、中を見る余裕があった」と、視線はゴール前のFW小川航基を捉えた。久保はそのまま小川にクロスを上げようとしたが、次の瞬間、堂安からの「後ろ」という声が聞こえたという。とっさの判断でその声の主にパスを返し、走り込んだ堂安が左足でネットを揺らした。

 堂安が何気なく発した「僕は左利きですし、あそこは決めなきゃいけないコースだった」という言葉――ここに久保の豊かな才能が詰まっている。

 FC東京U-18に所属する久保は、すでに飛び級でトップチームの練習にも参加。今季はルヴァン杯2試合に途中出場するなど、多くのプロ選手たちとともに汗を流してきた。そのなかで、日本代表にも名を連ねる司令塔のMF高萩洋次郎はこう証言している。

「感覚で出した、タケなら走っているなと」

「一つのパスをとっても、相手の右足左足、スペースなのか足元なのかを意識して出している。いろんな意味で気が遣える。周りもよく見えている」

 この南アフリカ戦のアシストも左利きの堂安を意識し、左足へと向かっていく球筋だったのは見逃せない事実だ。

 そして、元ナイジェリア代表FWピーター・ウタカは、「彼はクオリティーが高く、テクニックもある。誰が見ても明らかな才能。ボールを失うことを恐れないから彼には安心してパスを出せる」とも語っている。

 堂安も南アフリカ戦の決勝点の場面で、「感覚で出したというか、タケ(久保の愛称)なら走っていると思った」と、迷いなく久保が走り込んだスペースにパスを出したことを明かしていた。

 日本代表で、2001年ワールドユース(現・U-20W杯)アルゼンチン大会にも出場したFW前田遼一は、「あの年齢でJ1(カテゴリーの試合)に出ること自体すごいこと。得点を取ってほしいし、僕たちの2つ上は(1999年の同ナイジェリア大会で準優勝の)成績を残しているので、ぜひ結果を残してほしい」とエールを送る。

 あの日本の白星発進を決めたワンプレーを紐解くだけで、久保の非凡さが窺える。24日には、今大会の優勝候補の一角であるウルグアイと対戦する。その機知に富んだプレーで、どんな輝きを放つのか、期待は膨らむ一方だ。

【了】

馬場康平●文 text by Kohei Baba

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images