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●手術以外に粉瘤の治療法はあるのか

皮膚が小さく盛り上がって、押すとぷにぷにとやわらかい――。そんなおできのような凹凸物を発見したら、もしかしたらそれは「粉瘤(ふんりゅう)」かもしれない。粉瘤とはいったいどんなもので、どのように治療すればよいのかを、皮膚疾患に詳しいメンズヘルスクリニック東京の竹中洋史医師にうかがった。

○垢や皮脂が皮膚の下の袋にたまる腫瘍

粉瘤とは、皮膚の下に袋(嚢腫: のうしゅ)ができ、古い角質(垢)や皮膚の脂がその袋の中にたまってできる腫瘍のことを指す。皮膚から半球状に数ミリほど盛り上がっているものがあったら、それは粉瘤かもしれない。強く押すと、袋の中で膿状になった角質や皮脂がどろりと出てくることもある。

腫瘍といっても悪性のものではないが、たまった角質や皮脂は袋の外に出られないため、どんどんたまって少しずつ大きくなっていくこともある。

「角質や皮脂がたまらないように、毎日清潔にしていれば粉瘤にならないのでは…… と考える人がいるかもしれませんが、清潔さと症状につながりはなく、老若男女問わず誰でも、体のどこにでもできます。特に顔や首、背中、耳の後ろにできやすいのですが、どうして皮膚の下に袋ができてしまうのか、その原因はわかっていません」

○治療の方法や期間は

粉瘤ができても、痛みやかゆみがない場合が多いので、そのまま放置しておく人も少なくないという。良性腫瘍なので、袋が小さいままであれば特に問題はないそうだが、大きくなると炎症を起こす可能性もある。そのため、できるだけ小さいうちに治療するのがお勧めだと竹中医師は話す。

「一般的な治療法は手術で取ってしまうこと。部位や大きさにもよりますが、局所麻酔で10〜20分。日帰り手術で完了します」

手術ではなく薬での治療を望む人もいるだろうが、残念ながら粉瘤を治す飲み薬や塗り薬、漢方薬はないとのこと。粉瘤を完治させるための治療法は、手術での除去のみなのだ。

ただし、手術という言葉からイメージされるような仰々しいものではない。粉瘤の周りに麻酔を注射したら、粉瘤の袋を丸ごと取り出し、縫合を終えたら手術は完了となる。そして、一度取り除いたら再発することはないので、同じ部位の治療のために何度も病院に通う必要もない。

また、手術自体は局所麻酔を打ったうえで行うため、痛みはほとんどない。手術後は痛み止めの薬を処方してもらえるので、痛みの心配も必要ない。手術による痛みよりも、粉瘤を放置して炎症を起こした後の痛みの方がつらいはず。そのため、皮膚に何らかのふくらみを感じたら、小さいうちに手術で取ってしまうのがよいだろう。

もしも大きくなるのをそのままにしておくと、皮膚が破れて中身が出てきてしまうことがある。そこまで悪化すると、皮膚が炎症を起こし、赤く腫れあがったり痛みが出たりすることもあるので、抗菌剤や鎮痛剤によって炎症が治まるのを待たなければならない。

●粉瘤が顔にできた場合はどうするのか

○粉瘤の治療費はどのくらいなのか

「粉瘤が小さいうちに手術を」とはいっても、治療料が高ければ及び腰になってしまうこともあるだろう。気になる治療費はというと、「保険適用になるので、手術代だけで5,000〜1万円くらいです。初診料や診察料や痛み止めの薬などをもらったとしても、1万5,000円を超えることはほとんどないでしょう」と竹中医師は話す。

粉瘤の手術は、袋が小さければ小さいほど傷痕が目立たない。粉瘤の可能性があると思ったら、まずは診察してもらうことが重要だ。ただ、顔の目立つ部位にできてしまった場合や、大きくなるまで放置してしまった場合はどうだろうか。「手術だと傷が残ってしまうのでは」などと心配になる人も少なくないはずだ。実は、できた部位によっては手術を選ばないケースもあるという。

「粉瘤が顔にできた場合は、手術で切りとると傷痕が目立つ場合もあります。皮膚の表面を小さく切って中身を出し、袋を小さくすることで治療するケースもあります。ただ、取り除かなければ完治はしないので、定期的に病院に通い、中身を出さなければなりません。手術がいいのか、継続的な治療がいいのかは、主治医の先生と相談しながら自分にとってベストな方法を選択してください」

○数日履きっぱなしの靴下の数倍の臭い

粉瘤を疑っていざ診察をお願いするとなったら、皮膚科か形成外科に行けば確実とのこと。ただ、皮膚科は手術をしない病院やクリニックも少なくない。事前に手術が可能か聞いてみて、もし手術をしていないと言われたら、近所にある形成外科を探してみるとよい。

竹中医師はこれまでに粉瘤の手術を何度も経験してきたが、「取り出した袋は、開けると悪臭がすごいんです。何日間も履いていた靴下の臭いを何倍にもした感じ」と話す。そんな悪臭を放つ垢や皮脂が体内でたまっていくのが耐えられない人は、早め早めの対処をするようにしよう。

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