by Rogerio da Silva

軽度のやけどは放っておいても数日で治りますが、重度のやけどは植皮術で皮膚を移植する必要が出てきます。移植するのは必ずしも人の皮膚だけではなく、豚の皮膚や人工皮膚も利用されています。そんな中で、ブラジルでは「ティラピアの皮」を用いた治療が行われていて、大きな効果を挙げています。

Can tilapia skin be used to bandage burns?

https://www.statnews.com/2017/03/02/brazil-tilapia-skin-burns/

ティラピアの皮を使った治療はセアラ州立大学が2014年から取り組んでいるもので、マウスの実験で効果が見られたことから、人に対する治験が行われるようになりました。

実際にこのティラピアの皮に救われた事例としてマリア・デ・シルヴァさんのケースがあります。以下の映像にはやや生々しい治療途中の様子が出てくるので、再生時には注意して下さい。

Fish scales heal woman's burned body - YouTube

ウェイトレスだったマリアさんは、勤務先でガスレンジの爆発に巻き込まれて腕にII度の熱傷を負いました。



そこで、このようにやけどした部分の上からティラピアの皮を貼り付けるという治療を受けました。ティラピアの皮には皮膚の修復に必要なタイプ1とタイプ3のコラーゲンが豊富で、また、張力や水分含有量も人間の皮膚より大きいとのこと。使われている皮は一度殺菌されていて、数週間の治療期間のうちに何度か交換する必要はあるものの、クリームとガーゼの治療に比べれば交換回数は少なく、鎮痛剤の使用量も少ないそうです。



マリアさんの肌は治療の甲斐あって、かなりきれいな状態に戻りました。治療時に患者が痛みを感じることもなく、また治療コストも低いとのこと。



Josue Bezerra Jr.さんの事例も映像があります。こちらもやけどのあとにティラピアの皮を貼り付けている、かなり生々しい治療の様子が出てきます。

Can tilapia skin be used to bandage burns? - YouTube

電気関係のスーパーバイザーを務めていたBezerraさんも、仕事の中で大やけどを負い、ティラピアの皮を用いた治療を受けました。



腕のあたりは、ティラピアの皮を貼り付けているものの、もとの皮膚がボロボロになっているのがよくわかります。



足にもびっちりとティラピアの皮。Bezerraさんによれば、最初の夜はまったく効果を感じられず、まるで燃えるように腕が熱かったそうですが、じわじわと馴染んでいったとのこと。



ただし、この「ティラピアの皮」療法はブラジルだからこそできたのではないかという見方もあります。

カリフォルニア大学サンディエゴ校のジャンヌ・リー博士は、動物由来の皮膚代用品は食品医薬品局(FDA)や動物権利団体の厳しい検査を受けることになるので、コストが上昇する可能性があり、寄付された人間の皮膚の供給とのバランスを考えると、アメリカの病院でティラピアの皮が使われることはないと見ています。