嗣永桃子、夏焼雅、鈴木愛理によるスーパーグループBuono!が5月22日に横浜アリーナにて「Buono!ライブ2017 〜Pienezza!」を開催。ゲストポジションでは、イベントなどに数多く登壇してきたものの、実に単独としては昨年8月25日に日本武道館で開催された再始動ライブ『Buono! Festa 2016』以来、10カ月ぶり。久々のライブということもあり、1万5000人のキャパを誇る会場は満員御礼。しかし、何より、来月6月いっぱいをもって、嗣永は芸能活動に一度終止符を打つ。つまり、嗣永、夏焼、鈴木のBuono!は、今日この公演をもって見納めということだ。場内にはワクワクとした空気と共に、どこか一抹も寂しさも漂う。

しかし、メンバーはショボくれた気持ちはない。夏焼は「ついにこの日がきた!」と気合を込め、鈴木は「最高の集大成をお見せしたいと思います!」と意気込みをSNSに綴る(もちろん当の嗣永は多くを語らず)。暗転と共に大歓声がお出迎え。スクリーンに映るは、ウェイターに扮した嗣永、夏焼、そして給食係……否、シェフの鈴木。「Café Buono!」の世界観が目の前に広がる。

ギターの伸びやかな高音が轟くと、「横浜アリーナ、最高の夜にしようね!」という夏焼の一声で幕が開く。オープニングナンバーは『恋愛♥ライダー』。場内の空気は一気に最高潮を迎える。愛らしくパワフルな鈴木、繊細な高音轟かす夏焼、シットリとした低音の嗣永と三者三様でありながら、三位一体のハーモニーを響かせる。そして「Dolceも含めてBuono!です」と言わしめる、バックバンドにして盟友、Dolceとの息もピッタリ。
「三人併せて、Buono!です!」という紹介から、『Bravo☆Bravo』が始まる。勢いはもう止まらない。大歓声のコールアンドレスポンスが巻き起こり、夏焼、鈴木、嗣永の順番でコールがスタート。二人が最高の形で迎えられる中、最後の嗣永の順番。もちろんの場内中が大声で応える。当の嗣永は「よかった。(ファンが)いた……」とオチ担当にならずホッとした表情を浮かべる。

イントロ合戦の映像を挟み、3人になじみの深いグループ――℃-ute、カントリー・ガールズ、PINK CRES.の3組がゲストとして登場。最初に登場したのは、『Buono! Festa』で初お披露目となったPINK CRES.。6月に発売する1stアルバム『crescendo』からガーリーなポップチューン『fun fun fun』を披露。小林ひかる、二瓶有加は大観衆を目の前にド緊張の面持ち…かと思いきや、堂々たる魅せ方でセクシー&キュートさを振りまく。むしろ夏焼こそ、この3人でのステージに緊張したのかMCを言い淀み、二瓶にたしなめられるという場面が。MCを挟んで、華やかなポップソング『キレイ・カワイ・ミライ』を披露し、まさに「だんだん強く」なっていく三人の華麗なステージングを見せつけた。

先日、ホールツアー「ももちイズム」を終え、並行して開催の全国ツアー真っ最中のカントリー・ガールズは2月に発売した『ピーナッツバタージェリーラブ』を披露。そして2曲目には、未発表曲『リズムが呼んでいるぞ!』。コミカルで愛らしい、まさに「ももちイズム」を炸裂させた。カンガルのカラフルさとうってかわり、全身黒の衣装で登場した℃-uteはラストシングル『The Curtain Rises』で大人の世界観を横アリに生み出した。MCになり、普段℃-uteでは見せない鈴木のBuono!でのハシャギぶりに、4人は少し寂しさを覚えたとポロリ。そんな4人を横目に「イェ〜イ!」とさらにハシャぐ鈴木。この日の鈴木のテンションの高さは尋常ではない。そしてキラーチューン『Kiss me 愛してる』が始まり、ゲストコーナーは最高潮を迎えた。

再び映像コーナーが始まる。ここでは、懐かしの映像を観て過去を振り返ることに。彼女たちが出演したピザーラのCM(08年)が流れると、「若い!」と口をそろえてキャッキャと思い出話に華を咲かせていく。そして、懐かしのスペシャルライブで披露した嗣永=ドラム、鈴木=ギター、夏焼=ベースの『泣き虫少年』バンドverの映像も流れる。

映像が終わり、ステージ真中から三人がせり上がる。その姿は先ほど流れた映像そのままのバンドスタイル!そして嗣永のハイハットのカウントで『泣き虫少年』が始まる。約9年の時を経て、バンドBuono!のスタイルが横アリの地で復活したのだ。もちろん先ほどの映像とは違う。長年の時を重ね、ぶ厚い声にタイトなパフォーマンスへと進化を遂げた姿を、横アリのステージに現出させた。その後も『JUICY HE@RT』『ロッタラ ロッタラ』とキラー曲をこれでもかと繋げていく。

MCを挟み『Early Bird』『こころのたまご』『We are Buono!〜Buono!のテーマ♡』と、初期楽曲メドレーを披露。このコーナーを締めるのは『ロックの神様』、「小さなステージでも あたしたちにはブドーカン」という歌詞は、この日に限って「今日は横浜アリーナ!」へと変わる。Dolceメンバーの紹介を挟み、『夏だから』『うらはら』『Blue-Sky-Blue』という爽やかな楽曲を披露。そこからは三度の映像コーナー。ここではDolceのバンマス、eji(キーボード)が登場。9年という長き時間を共にしてきた彼女はメンバーに充てて手紙をしたためる。読む前から涙を滲ませる夏焼。Buono!への愛、そしてメンバー3人への愛を語るejiに、夏焼と鈴木は嗣永に「メイクが落ちる!」と注意されるほどに落涙。

素晴らしい空気が流れた後に、夏焼が『消失点-Vanishing Point-』を、鈴木の『OVER THE RAINBOW』嗣永の『I NEED YOU』とそれぞれのメイン曲を、アコースティックバージョンで披露。先ほどまでの熱い空間から一点厳粛な空間が支配する。素晴らしい歌が支配した。しかし、シットリとした空気を自らぶち壊すかのように一気に空気は加速。ピアノの旋律から鈴木の歌いだしで、場内中から奇声が上がる。今やアイドル界のアンセムとなった『初恋サイダー』が始まった。ステージ、フロア共に今持ちうる全てのエモーショナルさを炸裂させる。続く『ワープ!』ではタオルが宙を舞った。

「後半戦ですよ!」の一言で、3人はドレスを脱ぎ捨てる。ここから空気は完全に戦闘モードに。ヘヴィな『Independent Girl〜独立女子であるために』『カタオモイ。』、超高速ナンバー『MY BOY』と、完全にブチアゲモード。3人もステージ狭しと移動し盛り上げていく。場内も彼女たちの勢いに負けじとこの日一の声援をぶつけていく。熱気は最高潮を迎え、ラストナンバー『ゴール』で本編終えた。

「Buono! Dolce!」というアンコールが場内に響き渡る。場内に光が点ると、赤と黒のタータンチェック風…さながら、Buono!デビュー当時の格好を模した衣装に身を包んだ3人が登場。新たな次を告げる感動的な『Last Forever』でアンコールがスタート。

ラストMC。思いのたけを語る3人。

「今日まで10年間ぐらい…途中4年間ぐらい何もしていない時期もありましたけど(笑)、活動してきました。初めてバンドのみなさんについてもらってライブをしたのは初めてでした。正直好きなんだけど、自分が思う様に歌えなくて悩んだのはBuono!でした。でも、それを乗り越えてきたからこそ今があると思うし、成長できる場所でした。だから、今日で終わっちゃうなんて、よくわからなくて……。でも今日はこれだけたくさんの人が集まってもらったし、たくさんの人に支えてもらいました。だからこれからもどんどんBuono!の歌を聴いて、歌い継いでもらいたいです。忘れないでください!」(鈴木愛理)

「アイドルの曲とは違う曲が多くて、すごく勉強になりました。一番はバンドがいるのがすごく個人的に、ヨッシャー!ていう感じで。アーティスォッ!と思っていて(笑)。本当にBuono!ならではのライブができるのが楽しくて、今日もまさか横浜アリーナでライブができるなんてビックリ。集まってくれてありがとうございます。最高に楽しかったです!」(夏焼雅)

「ちょうど10年前に、愛理とみやと一緒にユニットを組むと聞いた時、なんで私?と思いました。歌もダンスも二人よりできてないと自覚していたので。アニメのタイアップということで私のこの可愛らしいアニメ声を貴重としてくれてるのかな?と思って、蓋を開けてみたらゴリゴリのロックでした(笑)。Buono!はいわゆる派生ユニットです。そんな派生ユニットが10年も活動できたのは、みなさんのおかげです。本当にありがとうございます!愛理が言っていましたが、楽曲はずっと歌い継がれて行って、みなさんの心の中にもずっとずっと残ってほしいなと思います」(嗣永桃子)

涙が止まらない鈴木と夏焼。嗣永はブレることなく真っ直ぐ観客を見すえていた。しかし、この感動的空気、涙は似合わない!とばかりに『Kiss! Kiss! Kiss!』に突入。「愛してる!」のコールが轟き渡る。ファンにはお馴染のブレークでの居眠りタイム。ここではMCで語り切れなかった、感謝の想いが流れる。メンバー各々、ファン、Dolce、そしてメンバーへの想いを語る。ラスト、夏焼の番。鈴木に向けて感謝を告げる。涙が止まらない鈴木。そして嗣永へ向けてのメッセージ。「ももは…」と語り始め途端、なんと目覚ましのアラートが鳴り響く!目が覚め再び歌に戻る鈴木と夏焼。肝心の言葉が聞けずに嗣永は「ねぇ!私は?」というキョトンとした表情を浮かべる。涙に笑い、これぞ、Buono!な多幸感溢れる演出に、ファンも泣き笑いだ。そしてBuono!最後を飾る曲は、記念すべきデビューシングル『ホントのじぶん』。最高の笑顔で歌い踊る三人。最高の盛り上がりで応えるファン。この二つが噛み合い、最高の空間を作りだし、10年に渡る活動に幕を下ろした。(田口俊輔)