20日、韓国・ソウル新聞は、2020年代半ばの完成を目標に、李明博政権時の10年に初めてその構想が明らかになった韓国型ミサイル防衛システムを検証した。この報道に、韓国のネットユーザーからさまざまなコメントが寄せられている。資料写真。

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2017年5月20日、韓国・ソウル新聞は、20年代半ばの完成を目標に、李明博(イ・ミョンバク)政権時の10年に初めてその構想が明らかになった韓国型ミサイル防衛システム(KAMD:Korea Air Missile Defense)を検証した。

既に開発を終え、早ければ来年にも実戦配備予定の韓国型中距離地対空誘導ミサイル(M‐SAM)と、現在開発中の韓国型長距離地対空誘導ミサイル(L‐SAM)をミサイル迎撃用に一部改良したものに加え、ドイツから導入した旧型パトリオット(PAC‐2)システムを改良し、不足な部分は在韓米軍の高高度防衛ミサイル(THAAD)を配備して、低層防衛中心のミサイル迎撃システムを完成するのがKAMDの基本構想だ。

しかしKAMDは、その構想が公開されると専門家の激しい反発に直面した。KAMDを構成する迎撃システムが、すべてが終末段階の低層防衛システムのみで構成されていたからだ。北朝鮮が所有するミサイルの中で最も古い「スカッド」はマッハ5〜6(音速の5〜6倍)、「ノドン」はマッハ7〜9、「ムスダン」はマッハ15〜17程度の終末速度を有するものと推定されており、射程距離と迎撃高度がわずか数十キロに過ぎないパトリオットや、韓国型長距離地対空誘導ミサイルが超高速で落下してくる北朝鮮の弾道ミサイルを迎撃できる時間は、わずか数秒程度に過ぎない。

さらにKAMDは、北朝鮮がノドンやムスダンなどのミサイルを利用して高高度で核弾頭を爆発させ、電磁パルス(EMP:Electromagnetic Pulse)攻撃を加えるような挑発に及んだ場合には対応が不可能だ。また、システム構築完了までには10年近く待たなければならないため、差し迫った北朝鮮の核・ミサイルへの脅威に対応するのは不可能になる。

これらの状況を受け、記事は「中国との関係悪化とそれに伴う莫大な経済的損失、国民世論の分裂という深刻な後遺症を甘受してまで在韓米軍のTHAAD配備を強行するしかなかった」と分析した。

この報道を受け、韓国のネットユーザーからは「李明博政権が韓国のミサイル防衛システムを無力化した主犯だ」「防御用の兵器をいくら作っても、攻撃用の兵器には勝てない」「独自開発より、性能の良い外国製を買った方が良い」など、KAMD並びにミサイルシステムの独自開発に対して否定的な意見が寄せられた。

その一方で、「国防は自主開発した兵器を用いるのが基本」「米国製兵器に依存していてはだめだ」など、兵器の独自開発を肯定する意見もあった。

また、防衛産業不正が後を絶たない現状に、「多くの国防費を投入しても、不正によって資金が正しく国防に使われていない」「まず国防費を盗んでいるやつをなんとかしろ」などとするコメントも見られた。

その他、「イージス艦も増やす必要がある」「この地球上に核兵器を防御できる武器は核兵器だけだ」「KAMDより核武装の方がより効果的」など、KAMD以外の兵器導入に関連した意見もあった。(翻訳・編集/三田)