昔流行った「ビリーズブートキャンプ」のように、激しいエクササイズは汗をたっぷりかくし、終わった後の達成感もあるので人気があります。しかし、苦しさを乗り越えて頑張ってもなぜか体重はあまり落ちない……。落ちないから途中でやめてしまう。こんな経験はありませんか? 今回は効率的なトレーニング方法についてご紹介します。

ハードトレーニングでは体重が落ちにくい

エアロビクス・エアロバイク・ウォーキングなどの有酸素運動は体脂肪を燃やし、筋トレなどの無酸素運動は基礎代謝量を増やしてくれるためダイエットに適しているといわれています。しかし、体脂肪を燃やすとされる有酸素運動も、激しい運動で浅い呼吸になってしまうと酸素が不足するために無酸素運動に近いものになってしまいます。するとグリコーゲン(糖質)ばかり使われて体脂肪は燃えないので、疲労感ばかり増えて痩せないという現象が起こります。ハードな運動の後には水分補給も多くなるため、汗をかいた割に体重は落ちないのです。ハードなトレーニングは筋肉を増やし、エネルギー消費を多くさせるための基礎代謝量を増加させるのに効果があるので、短い期間では特に減量の効果は感じられないことが多いのです。

運動の消費カロリーって意外と少ない

「たくさん運動したから、そのぶん飲み食いしても大丈夫」。実はこの考えがダイエッターを惑わせているといえます。日々狩りや農作業などの自給自足で暮らしていて、運動量が多い原住民の集団と、一日の大半を座って過ごし、運動量が少ない欧米人の集団を調査したところ、毎日のカロリー消費量はほぼ変わらないという結果になったのだそうです。カロリー消費は変わらないのに、原住民より欧米人のほうが肥満が多いのはなぜか。それは運動量よりも食事の量や内容に違いがあるからです。これはダイエットにも重要な簡単な計算で、生活するうえで必要なカロリーだけを摂っていれば太ることはなく、食べすぎや高カロリーの食事でカロリーオーバーになるから太るわけです。運動だけでカロリーを消費しようとしても実は効率は良くなく、30分のジョギングでもおにぎり1個分。スイーツや外食で簡単に「運動がなかったこと」になってしまうのです。

ダイエットは食事と運動を少し改善すればOK

運動は筋肉やメンタルにはとても良いことです。筋肉がつけば基礎代謝も増え、消費できるカロリーも増えます。ただ、痩せたいがためにハードなトレーニングを集中的に行っても、効果が現れにくいかもしれません。カロリーと栄養バランスを考慮した食事と、毎日少しの運動を続けるほうが結果的にダイエットには効果があるんです。腹筋を50回頑張るのも素晴らしいのですが、スクワットやクランチを正しく5セットするだけで同等以上の効果があることがわかってきています。深呼吸だけでもダイエット効果があるといわれるのは、しっかり酸素を取り込んでいるからなのです。運動は美容にも健康にも効果がありますが、ダイエットに関しては「毎日ちょっと」が挫折しにくく効果も期待できそうです。結果を急ぐあまりハードワークにならないように気をつけましょう。


writer:しゃけごはん