<組織内で本当に影響力を持っているのは誰か? それを見極めなければ、自分が影響力を身につけて成功することはできない。どうすれば「影響力のある人とつき合う」ことができるのか?>(2016年12月12日にアップした記事の再掲載です)

米タイム誌の「世界で最も影響力がある100人」にはそうそうたる顔ぶれが並んでいる。だが、そもそも影響力とは何だろうか。「他に働きかけ、考えや動きを変えさせるような力」(デジタル大辞泉より)――確かにそうなのだが、実感しづらく、縁遠いものに感じる人もいるかもしれない。

しかし、影響力は何も、有名人や政治家だけが持っているものではない。実際、ビジネスコンサルタントのスティーブン・ピアスによれば、仕事でふさわしい給与をもらえるかどうか、会議での発言がまともに取り上げられるかどうかも、すべて影響力次第なのだ。

ピアスは世界各地の有力者に取材し、新刊『ここぞというとき人を動かす自分を手に入れる 影響力の秘密50』(服部真琴訳、CCCメディアハウス)で、影響力を獲得する50のノウハウを提供している。

ここでは本書から「39 影響力のある人とつき合う」を抜粋して掲載する。どうしたら、おべっかや汚い手段に頼ることなく影響力のある人々と知り合えるか。そして、間違った人を支持して前途を断たれるような事態を防ぐにはどうすればいいのだろうか。


『ここぞというとき人を動かす自分を手に入れる
 影響力の秘密50』
 スティーブン・ピアス 著
 服部真琴 訳
 CCCメディアハウス

※シリーズ第1回:給料が安いと感じているあなたは、おそらく影響力が足りない
※シリーズ第2回:影響力を身につけるには有名人に「便乗」すればいい
※シリーズ第3回:自分の代わりに自分を宣伝してくれる人を育てよ

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39 影響力のある人とつき合う

影響力は伝染する。熱源に近づけば、それだけで体が温かくなるように、本当に影響力のある人とかかわれば、その威光のいくらかが自分のものになる。彼らの洞察や経験や人間関係にアクセスできるようになり、「内輪グループ」の一員となったあなたに対する見方も変わる。影響力はある程度まで、誰とつき合うかで決まるのだ。

別の言い方をすれば、権威を持つ立場(高い地位や肩書きや名声)でなければ、あるいはそんな立場の人に話を聞いてもらえる者でなければ、影響力を持つことは困難だ。

どうしたら、おべっかや汚い手段に頼ることなく、影響力のある人々と知り合えるか。最初のステップは、本当の影響力(または潜在的影響力)を持っている人物は誰かを見極めることだ。ビジネスや政治の世界には、極めて有能な人材にもかかわらず、トップになれないボスについたせいで前途を断たれたケースが山ほどある。彼らは間違った相手を支持してしまった。相性がいい人とつき合いたがるのは自然なことだ。だが好感度が高いからといって、影響力が大きいことにはならない。

権威ある立場の人に、提供できるものなどないと思うかもしれない。それは権力が生む孤立状態を過小評価しているから。トップの座に近づくほど、「その他大勢」との結びつきを失うリスクは大きくなる。そこに、あなたの出番がある。影響力がある人とつき合えば多くを手にできるが、その関係は一方通行ではない。あなたも多くを与えられる。

意見を提供する

キャリアの階段を上り詰めた人々がよく口にする不満のひとつが、「自分が置かれた状況を客観的に見ることが難しい」。周りにいるのは、自分の決断と直接の利害関係を持つ人ばかり。誰もが自らの利益を考えてものを言う。そんな状態に客観的な視点をもたらし、その意見が信頼に値することを示せれば、有力者と驚くほど親しくなれる可能性がある。

ニューズウィーク日本版ウェブ編集部