「中国のイーロン・マスク」がCEO辞任 米TVメーカー買収も断念

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”中国のイーロン・マスク”の異名をとるジア・ユエティン(Jia Yueting) が動画配信企業「楽視(LeEco)」のCEOを退任した。5月21日、同社が公開した資料で明らかになった。

ユエティンはインターネット動画配信の楽視網を2004年に設立し、2010年に同社を深セン証券取引所に上場。昨年10月時点でLeEcoの時価総額は130億ドル(約1兆3,500億円)とされ、米国のテレビメーカーVizioを20億ドルで買収する計画(後に断念)を発表したことでも注目を集めた。

また、傘下でEV(電気自動車)事業を手がけるファラデー・フューチャーは、米ネバダ州に10億ドルを投じた工場の建設計画を発表し、今年1月のCESでは価格20万ドルのFF91を発表。2018年内に製造を始めるとしていた。

しかし、財務の大半を借入金に頼るユエティンの経営方針には疑問の声もあがっており、フォーブスでは過去に「CEOが裸の王様と呼ばれている」とのリポートを掲載した。今回のユエティンの辞任は、社内で経営責任を問う声が高まったことが原因と見られている。

今年に入りLeEcoはVizioの買収の中止を発表し、約3分の1の従業員の削減を発表していた。社内の混乱ぶりは以前から広く報じられており、昨年11月時点でユエティンは「会社の体力に見合わないペースで海外展開を推進した結果、複数の事業で問題が生じた」と発言した。

また、先週は同社の北京オフィスに勤務後、退社した米ミシガン州出身のElliot Zaagmanが、内部事情を英字メディアTechNodeに寄稿した記事で公開。

LeEco幹部の英語力が低すぎて外国人社員とのコミュニケーションが十分でない事や、マネージメントに支障をきたしている事を挙げ、中国メディアで大きな話題になっていた。

ロイターの報道によるとユエティンは会長職に退き、後任には元レノボの役員で、2012年にLeEcoに参画したLiang Junが着任するという。ユエティンの資産額はフォーブスのデータでは、5月21日時点で35億ドル(約3900億円)とされている。