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 Webメディア「ギズモード・ジャパン」で編集長の経験を持ち、株式会社アイレップ内にあるコンテンツマーケティング総合研究所の所長を務める大野恭希氏が、オウンドメディア運営やコンテンツマーケティングにおいて重要なポイントを解説する本連載。第3回となる今回は、オウンドメディアを運営する上で大事な「目的」の定め方を明らかにします。

■オウンドメディア運営の課題となる「目的意識の維持」

 こんにちは。アイレップコンテンツマーケティング総合研究所の大野です。コンテンツマーケティングにありがちな課題と、私なりの対処法をお伝えする本連載。第3回となる今回は“オウンドメディア運営の「目的」について”解説します。

 第2回でも少しお話ししたのですが、メディアの継続運営は難しい。これは企業発信のオウンドメディア運営に限らず、これまで関わってきたWebメディア全般に共通する課題です。

 また、継続にはガイドライン作成・意思の統一などの組織作りが大事、ということもお伝えしました。それと並んで課題になるのが「目的意識の維持」です。

 Webに存在するメディアが、読み手の顔を見る機会はまずありません。ゆえに、毎日継続してコンテンツを発信していくことの虚しさや、本当に届いているのかという不安に襲われることもしばしば。このようにコンテンツ配信への疑問を持ち続けている担当者の方が多いのではないかと思います。

 さらに「このメディアは、事業貢献できる価値を生み出せるのか」というより大きな不安もつきものです。私も幾度となく襲われ、考えさせられました。

 そんな時どうしたか。編集として運営に携わっていると、この記事は読まれないかもしれないと不安になりながら掲載することや、これは読まれるだろうと自信を持って出すこともありました。何が読まれて何が読まれないのか、ニッチで読まれない記事に価値はないのか。ニッチな記事だからPVが少ないからこそ価値があるのではないか。考え出したらキリがありません。

 自信を持って出したものが大ヒットすることもあるし、自信がないものが意外と当たることもある。そういう博打的な面白さも、メディア運営の楽しさのうち。コンテンツ作りは本当に奥が深いです。

 では、そうした悩みにとらわれ過ぎずに、オウンドメディアを継続させるためにはどうすればいいのか。「目的に立ち返る」というのが、私の経験から出た解決法です。

■メディアのレイヤーを意識して目的を定める

 目的は本当に大事です。目的を定めるために、自問自答を繰り返す機会を作ることはマストといえます。具体的には、一人の時間を持つことであったり、メディア運営のコアメンバーと話す機会を作ったりするということが必要です。

 では、どのように「目的」を決めればいいのでしょうか? その答えは、メディアに記事を載せるまでのレイヤーを意識して目的を決めることです。メディアの意思決定フローは、大まかに書くとこのような関係性のもとに成り立っていると考えています。

 まずは一番上の部分。「このメディアは、どのようなユーザーにどういう情報を伝えるのか」という大きな方向性としての「長期的なメディア戦略」を決定します。次に、「では、今期はこういうテーマに注力しよう」という「中期的なコンテンツ戦略」が決まる。そして最後に、「今月の記事はこうしよう」といった、より短期で具体的な「企画戦術」が決まって、記事になっていくわけです。

 そうした戦略を立てる上で、欠かせないのが「目的」です。メディアとして何を伝えたいのか、という「目的」を決めて、それを必要とするのはどんな人なのか「ターゲット」や目的の達成度合いを測る「KPI」を絞ることで具体化します。

大野 恭希[著]