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最近は副業可の会社も出現していますが、多くは社員に副業を禁止しています。しかしながらもはや新入社員で入社した会社に定年まで勤められる保証がどこにあるでしょうか。昔は会社のあり方に即したスキルを磨き無事定年を迎えたら、運がよければ関連会社や下請け会社に迎えられないとも限りませんでした。しかしその保証がない限り、会社員はどの会社でも通用するスキルを身につけざるを得ません。それにはサイドワークが一番なのです。

○周りはひそかにサイドワークをやっている?

私は東京都の支援を受け2002年にある東京都の庁舎の一角を借りて、ベンチャー企業30社と共に開業しました。庁舎の使用期限が過ぎた後は、近くにある区の関連ビル内にあるインキュベーションオフィスを利用していました。もともとこのオフィスは起業間もないベンチャー企業や地方の企業の東京進出の足掛かりとして考えられたそうです。しかし、いざ募集してみると開設者が驚いたことに、20%は普通の会社員だったそうです。起業準備なのか、サイドワークなのか、勉強のためのデスク確保なのかはわかりませんが、驚くべき実態がひそかに進行しているように感じました。

そのベンチャーオフィスには様々なタイプがあり、私は打ち合わせや会議スペースが目的でしたので、最も安価なオープンのスペースを利用していました。大部屋で他の入居者とデスクを共用するタイプです。ある時、各デスクに置かれているパソコンをなんとなく眺めつつ奥のスペースへと歩いていると、詳しい中身は見えませんでしたが、各デスクのPCの画面がことごとく英語の画面だったのには驚きました。日常的にも電話や打ち合わせの際に英語が飛び交います。今や英語は当たり前かもしれませんが、10年以上も昔、世の中が急速に変化しているのを感じました。

○昔からあったサラリーマンの副業

高度成長期に大学を卒業した私は、周りの男性を見ると一様に内定をもらったら、「ようやく安定したレールに乗れた」感満載で、うきうきしていました。しかし、男性社会にあって活躍の場が閉ざされていた女性は、仕事を続けたいと思ったらお先真っ暗です。現在の閉塞感どころではありません。結婚すれば退職、社員になれず準社員、私は言われませんでしたが、ひとつ上の年齢までは35歳定年でした。アルバイトはおそらく禁止だったとは思いますが、仕事を続けようと思ったら自らレールを敷く以外にはありません。自分を守るためには、あれこれサイドワークを考えて当然でしょう。別の会社ですが、一般事務職の友人に聞くと、彼女たちは定時退社で時間のゆとりがあるためにアルバイト情報のルートができていたそうです。

私は建築の技術職でしたので、仲間の社員のなかには男性でも独立志向の人間も少なからずいました。そうした人間はいずれレールがなくなりますので、どこでも通用する設計力を磨く必要があります。そのために仲間内ではアルバイトはごく一般的にやり取りされていました。もちろんネットワークづくりの意味合いもあります。

結局、昔から将来を見据えて必要に応じてサイドワークは行われていたのです。レールがなくなった現在は等しく、自分の将来を考え、対策を立てる必要があると言ってもよいでしょう。

○今の忙しさを分析しよう!

本来ならば社会問題にもなりそうな職場で忙しく働いているケースもあると思います。そうしたケースはとてもサイドワークまで手が回らないでしょう。私も毎日最終電車と休日出勤で、月間残業130時間という時もありました。しかしその忙しさが、これから社会全体の中で生きていく上のスキルアップにつながるかどうかの見極めが大切です。単なる時間の切り売りなのは論外として、単に今の会社でのスキルアップだけなのか、それとも広く社会に通用するスキルが身につくのかは大切なポイントです。

○休日の過ごし方

毎日が忙しいと言いつつ、若い時はなぜあれほど仕事に遊びにと頑張れたのが、今となっては不思議で仕方がありません。究極の忙しさの中でも、夜中まで友人と飲み歩いて、めいっぱい若い時間を謳歌していました。「それでなくても忙しいのにサイドワーク? 」と思われるかもしれませんが、あれこれできるのが若い間の特権です。不思議と仕事が忙しい時ほど、遊びの充実感も高いのです。仕事、休息やレジャー、スキルアップをいかに上手に配分するかが、自らレールを敷かざるを得ないこれからの世代にとってはとても大切なことではないでしょうか。

日々の本業は丁寧に誠実に取り組むことは当然ですので、サイドワークは非日常を楽しむ感覚であることが大切です。友人とテニスを楽しむと同じ感覚で楽しめ、将来に役に立つ分野を考えてみましょう。サイドワークがストレス解消になるようなスタンスが大切です。異業種の人たちとの交流を楽しめたり、新しいことにチャレンジできたり、思わぬ収入でなかなか買えなかったものが手に入ったり、また貯蓄はどんな時でも人生を助けてくれます。

自分が知らないだけで、副業は周りでも深く広く進行しているかもしれません。大切なことは会社で通用するだけでなく、社会に通用するスキルを手に入れることなのです。

<著者プロフィール>

佐藤 章子一級建築士・ファイナンシャルプランナー(CFP(R)・一級FP技能士)。建設会社や住宅メーカーで設計・商品開発・不動産活用などに従事。2001年に住まいと暮らしのコンサルタント事務所を開業。技術面・経済面双方から住まいづくりをアドバイス。

※イラストは本文とは関係ありません