WEEKLY TOUR REPORT
米ツアー・トピックス

「第5のメジャー」と呼ばれる先週のプレーヤーズ選手権(5月11日〜14日/フロリダ州)の開幕を前にして、PGAツアーから『フェデックスカップ』のタイトルスポンサーであるフェデックス社との、10年間の契約延長が発表された。


フェデックス社と契約延長が決まったPGAツアー 新たな契約によって、年間王者に1000万ドル(約11億円)のボーナスが与えられるフェデックスカップが、2026-2027シーズンまで継続されることになった。ビッグマネーを手にするチャンスが今後10年間も続くとなれば、選手たちにとっても朗報であり、大きなニュースになったことだろう。

 また、シーズン最後のフェデックスカップ・プレーオフ(全4戦)は、毎年大逆転が起こるエキサイティングな戦いだ。その見応えあるシリーズが、これから10シーズンは見られることが確約されたのだから、ファンにとってもグッドニュースになったに違いない。

 今ではすっかり定着したフェデックスカップ。これは、2007年から始まった、シーズンを通して争われる”ポイントレース”のこと。まずは、10月の開幕戦から翌年8月のレギュラーシーズン最終戦までの間で、各試合で積み重ねたポイントが上位125名以内に入ればプレーオフに進出できる。

 4試合行なわれるプレーオフは、ひと試合終了ごとにポイント上位者だけが生き残る”サバイバル戦”。ポイント下位に終わった選手は試合ごとに脱落して次の試合に進むことができないため、毎試合が緊張の連続だ。そして、最終戦のツアー選手権に出場できるのは、30名のみ。その勝ち残った30名の選手が、年間王者の勲章、さらにはボーナス1000万ドルを目指して、白熱のバトルを繰り広げる。

 初代王者は、タイガー・ウッズ(41歳/アメリカ)。ウッズは2009年にも王者に輝き、2度頂点に立っている唯一の選手だ。

 2008年はビジェイ・シン(54歳/フィジー)、2010年にはジム・フューリック(47歳/アメリカ)と当初はベテラン勢が活躍していたが、フェデックスカップ開始10年目となる昨季はロリー・マキロイ(28歳/北アイルランド)、一昨季はジョーダン・スピース(23歳/アメリカ)と、昨今はヤングガンたちが強さを見せている。

 今回の契約延長は、今年初めに就任したばかりのジェイ・モナハン新コミッショナーがまとめ上げたもの。交渉開始時には、負傷を抱えるウッズのツアー欠場が続いていることもあって、契約延長を不安視する声もあったが、見事に契約を成立させた。しかも、過去は5年契約だったものを、今回は10年という長きにわたっての契約を実現。難交渉を成功させた新コミッショナーの辣腕ぶりが各方面で評価されている。

「これは、PGAツアーがマーケットとして、とても価値があるものという証明。ウッズは素晴らしい選手だが、彼が出場しなくても、それを上回る若い選手たちが十分に育っているということだ」とモナハン会長。PGAツアーの未来にも大いなる自信を見せた。

 まだ、詳細は公表されていないものの、「ボーナスも含めて、新しい契約はもっと大きな金額になる」(モナハン会長)という。選手にとっても喜ばしいことで、ツアーへの意気込みも一層増すのではないだろうか。

 ちなみに、今季のポイントレースは現在、世界ランク1位のダスティン・ジョンソン(32歳/アメリカ)がトップに立っている。序盤戦で首位を走っていた松山英樹(25歳)はジョンソンに次ぐ2位につけ、王者獲得のチャンスは十分にある。

 一方、ツアースケジュールの見直しも、大きな議題となっている。

 現在は9月末まで行なわれているプレーオフだが、これを8月末から9月上旬、すなわちアメリカの祝日であるレイバーデーウィークエンド(※夏休みの区切りとなる日。9月の第1月曜日)までに終了させる、ということが検討されているのだ。

 そもそもプレーオフが始まったのは、9月に入るとNFL(アメリカンフットボール)が開幕し、MLB(メジャーリーグ)がクライマックスを迎え、ゴルフの視聴率がガクと落ちるため、それを防ぐ対抗策でもあった。その効果はゼロではなかったと思われるが、新たな日程改正案では、その時期に注目度が増す他の人気スポーツの影響を完全に避けるものとなる。

 プレーオフ4戦を8月に行なうとなれば、当然大きな改革が必要となる。そのため、現在8月に開催されている4大メジャーのひとつ、全米プロ選手権を5月開催へ、さらにプレーヤーズ選手権の開催も元の3月に戻すことなどが検討されているという。

 そうなると、PGAツアーの主要舞台となるプレーヤーズ選手権が3月に開催され、4月にマスターズ、5月に全米プロ、6月に全米オープン、7月に全英オープンと毎月メジャー大会が行なわれ、締めくくりとして8月にプレーオフ4戦が開催されることになる。

 これは、なかなかの名案のようにも思える。これまで以上にワクワクし、より興味が尽きないシーズン開催に向けて、今後の各方面との調整がうまくいくことを期待したい。

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