スーパーやコンビニで目にする、パック入りの「牛乳」。そのパッケージに明記された食品表示には「種類別名称」という項目があり、製品によって「成分調整牛乳」「加工乳」などと名称が異なります。

 それぞれには一体、どのような違いがあるのでしょうか。オトナンサー編集部では、一般社団法人日本乳業協会企画・広報部長の難波和美さんに聞きました。

大きく6つのタイプに分類される

 難波さんによると、スーパーなどの店頭に並ぶ牛乳製品は一般に「牛乳類」と呼ばれ、「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令(乳等省令)」に基づき、成分や乳脂肪率の違いによって、大きく6つのタイプに分類されます。

「牛乳」は、直接飲用する目的で販売する牛の乳のことです。使用できるのは生乳(牛から絞ったままの乳)のみで、水やその他の原材料を混ぜることはできません。さらに、無脂乳固形分8.0%以上、乳脂肪分3.0%以上であることが条件です。

「成分調整牛乳」は、生乳から水分や乳脂肪分、ミネラルなどの成分の一部を除去したもので、無脂乳固形分は8.0%以上が条件です。

「低脂肪牛乳」は、生乳から乳脂肪分などを一部減らし、0.5%以上1.5%以下にしたものを指します。

「無脂肪牛乳」は、生乳から乳脂肪分などを一部減らし、0.5%未満にしたものです。

 つまり、「牛乳」という表記のあるものは、すべて生乳100%で作られています。

「加工乳」と「乳飲料」の違いは

「加工乳」は、生乳にほかの乳製品を添加したものをいいます。使用できる原材料は、脱脂粉乳やバターなどを含む乳製品と、水に限定されています。無脂乳固形分は、牛乳と同じ8.0%以上と定められていますが、乳脂肪分の規定はなし。乳脂肪分の少ないものが低脂肪タイプ、多いものが、コクのある濃厚タイプです。

「乳飲料」は、牛乳成分以外の原材料使用が認められたもので、ミネラルやビタミン、コーヒー、果汁などが加えられています。乳固形分を3.0%以上含むことが条件です。

 難波さんによると、牛乳の消費はここ数年、増加傾向にあります。殺菌方法が改善され、風味劣化を防ぐメーカーの技術が向上した結果、牛乳本来の風味を楽しめる製品が増えていることが背景にあるようです。

「カフェオレの需要増や、グラノーラやシリアルの消費増などによって、牛乳を使う場面が多様化していることもひと役買っています」(難波さん)

(オトナンサー編集部)