躍動感がすごい - 猿としてレッドカーペットを歩くテリー・ノタリー
 - ndreas Rentz / Getty Images

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 現地時間20日、映画『猿の惑星:創世記(ジェネシス)』シリーズなどのモーションキャプチャー俳優として知られるテリー・ノタリーが、第70回カンヌ国際映画祭のレッドカーペットを猿として四つ這いで歩いて注目を浴びた。

 テリーは、『フレンチアルプスで起きたこと』が国際的に評価されたスウェーデン人監督リューベン・オストルンドの新作『ザ・スクエア(原題) / The Square』(コンペティション部門)に俳優として出演。現代アートへの痛烈な皮肉が効いた本作で、猿に成り切るパフォーマーを演じている。レッドカーペットにはタキシードでばっちり決めて登場したテリーだが、突如として地面に両手を着くと、人間離れした野性的な、まさに猿としか言いようのない動きでレッドカーペットを跳ね回った。

 公式上映に先んじて行われた会見では「リューベン(・オストルンド監督)は安全なスペースを作ってくれ、間違いを恐れることなくチャレンジすることができた。ただそこに飛び込んで、自分自身ではなくなるようにするんだ」と猿のパフォーマー役へのアプローチ法を語っていたテリー。オストルンド監督はテリーが大活躍する美術館の晩さん会のシーンについて「300人のエキストラがいたのだが、テリーは毎回部屋に入ってくるたびに(猿として)一人ひとりの目を見つめていた」と明かし、キャストの一人であるクリストファー・レッソは「自分があのシーンに含まれていなくて本当によかった。“猿人間”がテーブルに飛び乗って暴れ回るなんて本当に嫌だ」と怯えていた。

 『ザ・スクエア(原題)』は、現代アート美術館のキュレーターとして尊敬を集めるクリスチャン(クレス・バング)が、盗まれた携帯電話を取り戻すために取ったバカみたいな行動がもたらす思わぬ事態を描いたドラマ。『フレンチアルプスで起きたこと』以上に皮肉が効いており、現代アートのみならず、メディアや個人主義までもエレガントなやり方で攻撃。かなり笑えて夢中で観られるが、最後には深く考えさせられる。

 オストルンド監督はビジュアルにも徹底してこだわっており(とても美しい)、クレスによると各シーン70テイクくらい撮ったとのこと。「クリスチャンのスピーチのシーンは、少なくとも100回はやった。95テイク目くらいでモニターのところに引っ張っていかれて、『こんなテレビみたいなクソ演技をこれ以上するな。いい加減にしろよ。リアルにやれ!』と言われた。覚えてる?」と隣のオストルンド監督をちゃめっ気たっぷりに見つめ、会場を沸かせた。(編集部・市川遥)

第70回カンヌ国際映画祭は現地時間28日まで開催