3シーズン目に突入した電気自動車によるフォーミュラカーレース「フォーミュラE」のマシンは開催初年の2014-2015シーズンと比べると確実に高速化しています。それがどれほどの差なのか、チャンピオンシップを運営するFIAがYouTubeで公式映像を公開しています。

Formula E Speed Comparison Season 1 vs Season 3: Full Lap Onboard - YouTube

比較の舞台である、フォーミュラEの「モナコ ePrix」で使われるモンテカルロ市街地コースの概要はこんな感じ。F1で用いられるモンテカルロ市街地コースと重複する部分も多々ありますが、一部は使わず、やや短いコースとなっています。



映像は左がシーズン1(2014-2015)のもの、右がシーズン3(2016-2017)のもの。映像は両レースで優勝したセバスチャン・ブエミによるドライブのものなので、ドライバーの癖による速度の差はほぼ出ないはずです。なお、この横断歩道は左右の映像で同じもので、ほぼ同タイミングで通過していることがわかります。



スタートラインを抜けたマシンはゆるく右に曲がったホームストレートを進み、左に頭を振ってから右に曲がる第1コーナー「サン・デボーテ」に突っ込みます。ここでは大きな差はついていません。ちなみに、F1だと左側の坂「ボー・リバージュ」へと向かいますが、フォーミュラEではここで右手の下り坂へ進路を取ります。



並木を右手に見ながら進み……



並木が途切れたところで右に鋭くカーブ。ここはF1ではヌーベルシケインが設置されているポイント。シーズン1のブエミがシケインの最終コーナーにアプローチしようとしているタイミングで、シーズン3のブエミはシケインを抜けて立ち上がりの加速に入ろうとする、というぐらいの差がつきました。



さきほど見ていた並木を反対側から見つつ進み、左へと曲がる「タバコ」コーナーへ。



「タバコ」を抜けると正面にプールがあるため、コースはこれを回避するようにコの字を描きます。シーズン1のブエミがタバコを立ち上がってくるころ、シーズン3のブエミはすでにこのセクションの入口のシケインに進入開始。



そしてシーズン1のブエミがシケインに入るころには、シーズン3のブエミの目にはセクション後半のシケインにさしかかろうとしています。



もし2台のブエミが同時に走っていたら、シーズン1のブエミから、減速してシケインにターンインするシーズン3のブエミが見えているはず。



さらに、差は詰まることなくじわりじわりと開いていきます。ブエミは映像に使われているどちらの年も優勝しているので、決して遅いわけではありません。



シーズン1のブエミは海沿いのコースを激走中。一方、シーズン3のブエミは海沿いのコースから右に大きくカーブする「ラスカス」へ入りつつありました。



シーズン1のブエミがラスカスに突入するころには、シーズン3のブエミはコーナーを抜けて速度を上げていました。



ということで、1周だけでもかなりの差がつきました。3年目に入り、マシンの性能が大きくアップしていることがわかります。



この間のレギュレーション変更で、バッテリーのパワーが150kwから170kwに変更されていたり、初年度は全マシンが同一仕様のワンメイクレースだったでしたが2年目からパワートレインの自由開発ができたりと、マシンの戦闘力自体がかなり変化したことがうかがえます。