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 ソフトバンクは20日、「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」が930億米ドル(約10兆4,000億円)の資金を調達したと発表した。以前より発表されていたサウジアラビア・パブリック・インベストメント・ファンドに加え、アラブ首長国連邦アブダビ首長国のムバダラ開発公社、アップル、鴻海(フォックスコン・テクノロジー)、米通信技術開発大手のクアルコム、シャープが出資者として参画する。

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 ソフトバンクグループの孫正義社長は、これまでソフトバンクが革新的なテクノロジーや起業家たちを支援する長期的で大胆な投資をしてきたことに言及し、ソフトバンク・ビジョン・ファンドも、同様の方針のもと、「情報革命の次の段階の基盤となりうるプラットフォームを実現するような事業を立ち上げ、または成長させていく手助けができる」とコメントしている。

 投資先企業については言及はないが、ソフトバンクグループのグローバルな事業展開規模や事業運営に関する専門的な知見、ソフトバンクグループ傘下のスプリントやヤフーなどから多くのメリットを享受でき、成長を加速させられるとしている。

 ファンドの投資対象は、IoT、人工知能(AI)、ロボティクス、モバイルアプリケーションおよびコンピューティング、通信インフラ、消費者向けのインターネットビジネス、金融テクノロジーなど多岐に渡る。ハイテク業界への投資ファンドとしては過去最大となり、長年欧米の銀行やシリコンバレーの資本家が中心となってきた中で新たな巨大勢力が誕生することになる。

 ウォールストリートジャーナルが報じるとところによると、今回のファンド設立までには予想以上の時間がかかったという。ソフトバンク側は、投資対象についての決定権を自らが持つことを望んでいたが、サウジアラビア側は自国が石油依存を脱却するために有用な分野へも投資することを希望し、投資対象選定への発言権を重視していた。最終的には一定規模の案件に関して、サウジアラビア側の拒否権を認めるという形で合意したようだ。

 ソフトバンクはこれまで、資金回収まで10年以上というスパンで投資を行ってきている。今回の投資も同様の手法を取ると見られ、出資企業にとっては、次世代を睨む一手としてはかなり忍耐力を問われることとなりそうだ。