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「グレートジャーニー」シリーズで知られる探検家・関野吉晴の新たな旅を追い、話題を呼んだ探検ドキュメンタリー映画『縄文号とパクール号の航海』。その監督を務めた水本博之による、手作りのアニメーション短編映画2作が、下北沢トリウッドにて上映されることになった。
まず、『きおく きろく いま』は、95歳のシスターによる長崎の原爆証言を、長崎県大村市の1,000人以上の市民が参加して描いた大作。長崎・出津教会のシスターの橋口さんは、幼少の頃から修道女として信仰とともに暮らしてきた。彼女は貧しい子ども時代や、原爆の救援に駆けつけたことなど現代の生活からは想像しづらい体験をカメラの前で話し、監督はその様子を4,000枚の写真に印刷。大村市の人々に写真をなぞって描いてもらい、これを撮影して“インタビューをみんなでアニメーションにする”というプロジェクトを開始した。

また、『いぬごやのぼうけん』に登場するのは、海の上でいがみ合っている少年と犬。彼らが大海原で、他者の大切さを学びながら成長していく物語。ガラス板の上に人形を置いて、少しづつ動かしながら作ったストップモーション・アニメーション映画で、時間をじっくりとかけて、1人の少年と1匹の犬に生命が吹き込まれていった。

奇遇にも、水本監督は本作完成後にドキュメンタリー『縄文号とパクール号の航海』で本物の大海原での航海に参加。インドネシアの漁民の仲間と日本の若者たちが、家族のようになっていく作品を手がけることになった。

ドキュメンタリーとアニメーションの枠を越境する映画作家・水本監督の、オリジナルで数奇な世界観を体験してみては。

以下、本作へコメントが寄せられた。

■関野吉晴(探検家・医師)
水本監督の『縄文号とパクール号の航海』は、私が企画した手作りカヌーでインドネシアから沖縄まで航海するという足掛け4年の旅のドキュメントだ。その膨大な映像をさらに3年かけて忍耐力と構成力、センスで完成させたのだ。そのときも航海と東北の震災がシンクロしていたが、この作品でも普賢岳爆発の被災と東北の震災がみごとにシンクロしているのが印象的だった。

■土居伸彰(アニメーション研究・評論/(株)ニューディアー代表)
私たちは永遠に生きるわけではない。私はいつか朽ちるし、いまこの瞬間にも、どこかで誰かが消えていっている――水本博之のアニメーションは、ふと自分のことをふり返り、そして周りを見渡して、そんなふうに私たちの宿命にハッと気づいたときの世界に似ている。そのとき気持ちは散乱し、震えも感じるが、同時に、自分の身体と精神に、生命が宿っていることを実感しはじめる。内へと、外へと、冒険の第一歩を踏み出したくなる気持ちが湧き上がる。

『きおく きろく いま』『いぬごやのぼうけん』は7月29日(土)〜8月11日(金・祝)まで下北沢トリウッドにて上映。

(text:cinemacafe.net)

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